世界の有名ブランドも注目…滋賀県で日本の伝統工法「柿渋染」を継ぐ

柿渋染職人の水谷真也さん
日本の伝統工法である「柿渋染」。その特徴的な美しさは世界の有名ブランドも注目しており、パリ・ミラノ・ニューヨークなど海外のコレクションでも採用されている。そんな「柿渋染」の技術を滋賀県で引き継ぎ、活躍しているつくり手がいる。
■ 1000年の伝統は守りつつ…新しさも意識
「柿渋染」は1000年以上前から伝わる技術。青い渋柿を自然発酵させた天然染料は口にしても安全で環境にも優しく、湿度や光で色が微妙に変化し、職人技でしか生まれない風合いが魅力になっている。化学成分を使わず渋柿を発酵、熟成させて作る染色技術で製作、液に浸し、手または機械で絞り、天日干しで乾燥。3〜4日で色が濃くなっていく。
そんな「柿渋染」と出会い、現在柿渋染職人となり活躍するのが、水谷真也さん。19歳で「リーバイス」にアルバイト入社。その後、店舗や店長を経て、リテール営業職など約18年間勤務したのち、地元・滋賀へ戻り今の職業に就いた。

「柿渋染」との出合いは「リーバイス」を退職し、滋賀に戻った際に柿渋染の会社「おおまえ」(本社:滋賀県東近江市)の大前清司社長と再会したことがきっかけ。社長の大量生産から手仕事へと舵を切った決断力や環境へのまなざし、そして常識を軽やかに超える発想に触れ、水谷さんの心は動かされたという。

水谷さんは、たったひとりの社員として働きながら伝統工法を学び、「技術は体験から伝わる」と、スプレーガンやエアブラシで染めるなど新たな技法も積極的に取り入れた。アートやストリートの要素を融合させ、伝統を現代の感性で再解釈し発信している。
![[おおまえ]の工場は一般向け公開はしていないため、水谷さんの柿渋染作品は、彦根[NOWON]などで購入可](https://www.lmaga.jp/wp-content/uploads/2025/08/shiga2025_0806_3.jpg)
また、現在は自身のブランド活動に加え、彦根のアパレルショップ「NOWON」の運営もおこなっている。店内には、柿渋染のオリジナルTシャツ(7700円)も並び、奥にはアトリエ兼ショールームもスタンバイ。水谷さんが立ち上げたプロジェクト「蒟蒻麻絲」や個人作品の展示、ワークショップスペースになっている。「どんな活動もすべては柿渋染のために」と、伝統を未来へつなぐ強い思いを持っていた。
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近年若者の移住者も増えている注目スポット・滋賀。同インタビューほか、滋賀の「行きたい店」や「気になる店」までを紹介している『滋賀の本』(創刊:京阪神エルマガジン社)をチェック!
写真/山崎純敬
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