高校球児も重大任務で活躍…阪神淡路大震災1.17の集い準備

力仕事も地元高校生が真剣かつ楽しくボランティアでお手伝い(1月15日/東遊園地)
阪神淡路大震災発生からもうすぐ30年。1月16日、17日に、「東遊園地」(神戸市中央区)では恒例の「1.17希望の灯り」から分灯した竹灯籠や紙灯籠を並べる市民主体の追悼行事『阪神淡路大震災1.17のつどい』が開催される。15日朝から会場での準備がスタート。竹灯籠の搬入や、文字のライン引きなどを、地元の学生や、ボランティアスタッフが協力しておこなった。
震災で亡くなられた方を追悼するとともに、震災で培われた「きずな・支えあう心」「やさしさ・思いやり」の大切さを次世代へ語り継いでいくためのこの取り組みは、多くのボランティアスタッフの力で成り立っている。

会場での設営がスタートしたこの日は、教員に引率された神戸市内の中・高校生、複数の企業や団体、個人のボランティアら老若男女が集まり、竹灯籠・キャンドルなどの搬入・紙灯籠の作成、募金箱の設置など、それぞれ割り当てられた作業をおこなった。

神港学園高校野球部の男子生徒は、灯籠を並べる形を白線で描く「ライン引き」を任された。会場に竹や紙の灯籠を並べて作る今年の文字は「よりそう 1・17」。「普段から部活動でライン引きをおこなっている。今回のこのラインは、灯りの土台となる、とても大切な部分。責任重大なので、気を引き締めて真剣に取り組んだ」と話す。

手がかじかむような寒空の下での準備となったが、震災を経験した大人たちも、まだ当時生まれていなかった生徒たちも、みんなが力をあわせ、声を掛け合い、作業をおこなっていた。

◆ 「募金以外に、自分にできることは?」考えて仲間を誘ってボランティアに参加
またテントでは、紙灯籠づくりが進む。筆者も制作作業をお手伝いしながら、参加者のみなさんに話を聞いた。
「募金以外に、何か自分たちにできることはないか?」と考え、仲間とともに、今年初めてボランティアに参加した男性は「事前に募集したメッセージ入りの用紙に、テープを貼り紙灯籠にする作業をしています。今日は力仕事を覚悟していたが、こういう紙灯籠の制作などもすべてボランティアでおこなっていたと、はじめて知って。かなり人海戦術ですよね。今まで一般来場者としてでは気づけなかった、さまざまな作業をたくさんの人が分担して、この『つどい』が成り立っていたことを知れて良かったです」と語った。

開始から約2時間の作業を経て、予定していた紙灯籠が最後の1個が完成すると、参加者みんなが拍手でお互いを労った。さまざまなバックグラウンドを持つボランティア同士に、一体感に包まれていた。

募金箱の設置作業などをおこなった神戸高校野球部に所属する男子生徒たちは、「僕たちは参加2年目です。この東遊園地での追悼行事のお手伝いは、野球部で代々受け継がれてきた伝統です。震災当時は生まれてなかった僕たちだけど、野球部みんなで少しでも神戸のみなさんに貢献できればうれしい。また明日も来ます」と話した。
このような各学校からのお手伝いは、20年近くの取り組みとなるとのこと。今回、参加者のみなさんの話を聞くことで、恒例の「つどい」がこうして震災を知らない世代にも、やさしい気持ちをつなぎ、震災を語り継ぐ場として確実に機能していることを感じた。

◆ 「なにか役に立ちたい!」が大事、ボランティア参加はできる時間できる範囲で
『阪神淡路大震災1.17のつどい』実行委員長の藤本真一さんによると、今年、竹灯籠は2500本、紙灯籠は4000本を並べてろうそくに灯りを灯す予定。
そのために16日、17日に紙灯籠並べ・竹灯籠並べ・水張り・ローソクを浮かべる作業、行事終了後の18日に片付け作業などをおこなう100人~200人ほどのボランティアを当日会場内で随時受け付ける。当日受付のボランティアの活動時間は、例えば「1~2時間だけ」などでも問題はない。また年齢制限もなく誰でも参加が可能だ。力仕事以外の軽作業もあり、各自ができることをできる範囲でおこなう。まずは軍手持参、汚れても大丈夫な服装で、ボランティア受付へ。
藤本さんは、震災から30年を迎えることについて「正直、30年と言う節目は関係ない。毎年毎年のこと。ただ多くの人の震災を考えるきっかけに今年がなれば・・・」と話す。
『阪神淡路大震災1.17のつどい』は16日・夕方5時~17日・夜9時まで「東遊園地」で開催。16日・夕方5時46分、17日・朝5時46分と夕方5時46分に黙とうをおこなう。
また東京でも1月17日に「阪神淡路大震災1.17のつどい 東京会場」が開催される。場所は「日比谷公園大音楽堂」(日比谷野音)夕方4時~夜7時まで。夕方5時46分に黙とうをおこなう。
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