M-1準優勝バッテリィズ、エースを支える「寺家」は一体何者?

お笑いコンビ・バッテリィズ(左からエース、寺家)
年末の特番でお笑い番組への出演が激増したお笑いコンビ・バッテリィズ(エース・寺家(じけ))。「令和の時代に『アホ漫才』をうまく蘇らせた」と『M-1グランプリ2024』(ABCテレビ)の準優勝で、真っ直ぐでピュアなエースが一躍愛されキャラに。それに対し、真顔で感情が読めない寺家・・・「じゃない方芸人」ととらえるかもしれないが、役割に徹した彼こそが立役者だ。
■ 「『M-1』はエースで笑ってもらいたい」

トップバッター2連覇を果たした令和ロマンと肩を並べるほど、同大会で強烈な印象を残した2人。放送前の順位予想では10組中10位と、全国的には無名とも近いコンビが大健闘。明るくて真っ直ぐな男・エースの発言に対し困惑する寺家、圧巻のしゃべくり漫才を見せつけた。
SNSでは「単なるアホの直球で笑える」などエースへのコメントが相次いだが、今回の審査員評では若林正恭(オードリー)が「寺家さんの漫才のリズムをキープする腕も確か」、柴田英嗣(アンタッチャブル)「構成も良くてツッコミもリズムをとって邪魔しないっていうところが素晴らしい」といった声も挙がり、寺家の実力も光った漫才でもあった。

バッテリィズのネタを書いているのは寺家。今後は寺家がいわゆる「じゃない方」と言われるかもしれないが、過去のインタビューでは「『M-1』ではエースのところできっちり笑ってもらいたいので、僕の方に武器があると思われないように。あえてツッコミを入れないようにという意識でやっています」と、あくまでも「エースで笑ってもらいたい」との思いを明かしていた。今回の反響は寺家の狙い通りだったのではないか。


準優勝翌日のインタビューでは「自分たちがおもしろいと思ってたことを、M-1で証明できたと思いました。10番人気でしたけど(笑)、自信だけはありました」と明かした寺家。「ヤーレンズさんに(2位が)明日からだんだん悔しくなってくるで、って言われたんですけど・・・。今は昨日の861点が、自分のこだわった漫才に点がついたことがうれしすぎて」と笑顔を見せていた。
■ 一体何者? まだまだ謎多き寺家

審査員の礼二(中川家)も「分かりやすいアホ(エース)とちょっとインテリに見える(寺家)、すべてが整っていた」と言い、クレバーな印象を残した寺家だが、過去インタビューでは「実は僕もめっちゃアホなんです」と明かす一幕も。「ただ、エースがアドリブで言ったことを僕も同じように分からんかったら、コンビとして終わりじゃないですか。『僕も分かりません』って言ったらその場の笑いは起きるかもしれないけど、長い目で見たらコンビとして絶対に良くない。自分のアホを押さえないといけないんで、ちゃんと努力してます。ほんまはやりたくない時事とか勉強しています(笑)」。
M-1後には芸人からの感想も多々。ニューヨークは自身のラジオで「エースくんの隣の寺家くん?あいつはくせ者か?」とすかさず着目。「改めてネタをみたけど、あいつ多分めっちゃ変だぞ。顔と格好・・・最終決戦であんな佇まいのやついる?あいつに一番目いってたもん」「寺家がこわすぎてネタが半分入ってこないまである」「あいつとエースくんが切磋琢磨してると思えへん・・・」と、謎多き寺家に興味を示していた。

ちなみに寺家は、写真撮影では一貫してポーカーフェイス。理由は「自分の笑ってる顔みたら自分で腹立ってくるから笑わんようにしてる」。インタビューの際も「怒ってないんです・・・」と言いながら一定の表情をキープしていた。
所属する大阪の「よしもと漫才劇場」公式YouTubeで、エースが「寺家の褒める点」について挙げたのは「いろんな社員さんと喋ってくれる。外交してくれてありがとう!」。『M−1』の際も芸人よりも黒スーツの社員と喋っていたと明かされている。
また野球歴も長く、2019年にはエースとともに大阪よしもと芸人らによる草野球チーム「上方ホンキッキーズ」を設立(エースが投手、寺家が捕手)。『M-1』後の彼らのYouTubeでは同大会の振りかえり動画などは出さず、野球にいそしむ姿をアップしている。
博多大吉(博多華丸・大吉)は決勝後のポッドキャストで、「(寺家は)宣材写真の感じもだし、ステージに出てきた瞬間も大丈夫!?ってなったんです。でもなんのなんの。聞き取りやすいし、寺家くんは声が良いね。寺家くんがすごく落ち着いていて達者だったから、エースくんの落ち着きのなさが気にならないどころか、どんどん世界観を作っていく感じがね」と絶賛していた。

今回の2位という結果について寺家は「今回でちゃんと獲れるんや、ってなったんで。来年にむけてちょっと考えないとですね」と意気込む。バッテリィズは間違いなく、今回の大会で一番人気を勝ち取ったコンビだっただろう。
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