関西で20年ぶり! 巨匠デ・キリコの大回顧展、神戸で開幕

マヌカンを描いた最初期の傑作といわれている。作品を読み解くための解説にも注目を。展示風景《予言者》1914ー15年、油彩・カンヴァス ニューヨーク近代美術館)© The Museum of Modern Art(MoMA). New York. James Thrall Soby Bequest, inv. 1214.1979 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
関西では約20年ぶりとなる展覧会『デ・キリコ展』が、「神戸市立博物館」(神戸市中央区)にて9月14日から開催。20世紀を代表する画家のひとりである彼の70年以上にわたる画業を、100点以上の作品を通じて振りかえる。
イタリア人の両親のもとギリシャで生まれ、ドイツの美術学校で絵画を学び、哲学者ニーチェから多大なる影響を受けたジョルジョ・デ・キリコ(1888〜1978)。彼の代表的な連作のひとつ“イタリア広場”は、フィレンツェの広場を眺めていたときに、不思議な感覚に陥り、脳裏に浮かび上がった構図がきっかけとなったそう。
ゆがんだ遠近法、脈絡のないモチーフ、不思議な配置から生み出される幻想的な作品は、後に「形而上(けいじじょう)絵画」と呼ばれるように。これらの作品が、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリットといった名画家たちにも衝撃を与え、シュルレアリスムの始まりともいわれている。
そこから彼はいったん方向転換して、バロック絵画といった古典絵画、特に技法に注目して研究を重ねた時代へと突入。その際に描かれた作品は、ルノワールっぽいタッチや、ドラクロワ、クールベの影響を受けたと考えられる作品も。

そして晩年には、さらに独創的となった「新形而上絵画」へ。それまでにも繰り返し描かれた「マヌカン(マネキン)」「家具」「定規」「剣闘士」といったモチーフが遊び心豊かに、謎に満ちあふれた世界として表現されている。油彩画を中心に、ほかにもジャン・コクトーの詩集『神話』のための挿絵、独自の世界観を立体化した彫刻、舞台のためのシーン・衣装のスケッチが展示され、多角的にデ・キリコの魅力に迫る。

同展の監修者ファビオ・ベンツィ氏は、「今回の展覧会ではデ・キリコの傑作といわれる作品が10点展示されます。過去の日本での展覧会と比べても、国際的に見ても非常に重要なデ・キリコ展だと考えています。彼は、ピカソ、マティス、カンディンスキーといった同世代の芸術家とともに現代美術の大きな支柱を築きました。特にデ・キリコは、当時はまだ探求されていなかった夢や記憶、この世の謎といった領域を研究の対象とし、今年で100周年を迎えるシュルレアリスムと、無意識に関するあらゆる芸術表現の手本を示した存在です」と会見で語った。
期間は9月14日〜12月8日、月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。料金は一般2000円、大学生1000円。音声ガイドのナビゲーターは俳優ムロツヨシ(レンタル1台650円)。グッズ売り場では、画家ヒグチユウコの代表的な猫のキャラクター、ギュスターヴくんがデ・キリコの世界に潜りんだようなアートワークを使用した缶バッジ3種(各440円、1人1種類につき2個まで、購入条件は公式サイトで確認を)や、デ・キリコが作品にも描いたイタリア菓子ビスコッティなどのグッズ販売もあり。
『デ・キリコ展』
期間:2024年9月14日(土)〜12月8日(日)
月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休。9月17日・24日・10月15日・11月5日休)
時間:9:30〜17:30(金・土曜は〜20:00)
会場:神戸市立博物館(兵庫県神戸市中央区京町24)
料金:一般2000円、大学生1000円、高校生以下無料
電話:078ー391ー0035
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