京都・二条城で18年ぶり、皇室ゆかりの本丸御殿が一般公開

世界遺産「元離宮二条城」の皇室ゆかりの「本丸御殿」(重要文化財)
2024年12月に世界遺産登録30周年の節目を迎える「古都京都の文化財」。その構成資産のひとつである「元離宮二条城」(京都市中京区)の本丸御殿(重要文化財)が7年間におよぶ保存修理を終え、9月1日から18年ぶりの一般公開、且つ、初の通年公開をスタートする。
■ 「これほどの規模は、ほかにはない」
江戸時代においては、徳川幕府の京都における拠点(城)であり、明治から昭和にかけては、皇室の西日本における拠点(離宮)だった歴史を持つ「元離宮二条城」。そのため、武家の美と皇室の美、相反するそれぞれの美を同時に楽しむことができる稀有な場所だ。
15代将軍・徳川慶喜が「大政奉還」を表明した場所として知られる「二の丸御殿」は、「武家風書院造」を代表する建物であり、国内の城郭に残る唯一の御殿群として国宝に指定されている。

そして、この度公開される本丸御殿は、明治17年(1884年)に二条城が離宮になった後、明治天皇の命により、四親王家のひとつ桂宮家の御殿の主要部を移築した建物であり、江戸から近代の宮廷文化を伝える貴重な遺構として、重要文化財に指定されている。「これほどの規模で残っている江戸時代の宮家の御殿は、ほかにありません」と二条城担当者。

明治維新の際の東京奠都(とうきょうてんと)で、京都御所周辺で暮らしていた宮家も東京へ移った。桂宮御殿は京都御所の北にあり、嘉永7年(1854年)に京都御所が焼失した際には、明治天皇の父・孝明天皇の仮皇居となり、桂御所と称されたこともある。
そのような経緯もあって、明治天皇は、思い出深い宮家のひとつであり、叔母の桂宮淑子(かつらのみやすみこ)内親王の御殿を残し離宮にしたという。そのため、宮廷の雅やかな文化を存分に味わえる場所なのだ。
■ 大正〜昭和時代、天皇が新婚旅行にも愛用
大正から昭和にかけては、皇太子時代の大正天皇(嘉仁皇太子)や昭和天皇(裕仁皇太子)の宿泊所として使用され、なかでも大正天皇は10回も滞在し、新婚旅行でも使用するほど愛用した。愛犬と散歩したエピソードも残るので、ここでリラックスした気分で過ごされたに違いない。
本丸御殿は、「玄関」「御書院(ごしょいん)」「御常御殿(おつねごてん)」「台所」の4つの建物群で構成され、宮家にふさわしい格式ある空間を堪能できるのが見どころのひとつだ。
なかでも本丸御殿の中心である「御書院」は、皇太子の宿泊所時代には拝謁所として用いられた場所。最も格式が高い「御書院」一の間は、床が一段高くなっており、格天井(ごうてんじょう)で金箔貼の壁や違い棚を備えているので見逃せない。三の間は、畳を外すと能舞台になり、桂宮淑子内親王と明治天皇が一緒に能を楽しんだエピソードが残る。

■ 格式により異なる、美しき237面の障壁画

「御書院」だけでなく、居室や寝室、浴室(御湯殿)などが設けられた日常を過ごす場である「御常御殿」、家来たちが使用した「台所」に現存する、部屋の格式により異なる237面の障壁画(原画)も見どころだ。手掛けた京狩野・円山派・四条派など絵師たちは、京都御所の障壁画も手掛けている。
本丸御殿の障壁画の価値について、二条城担当者は、「宮家の御殿と一緒に各部屋の障壁画がすべて残っています。しかも、手掛けた絵師やどの時代に描かれたなども当時の史料で裏打ちされ、おおよそ分かっている点が貴重です」と説明。さらに離宮として大事にされてきた経緯から、建物と一緒に非常に良い状態で残っているのが最大の特長だという。
過去には春と秋の期間限定でしか公開されていなかったこともあり、良好な保存状態である障壁画だが、9月からの初の試みである通年公開にあたって、環境の変化が与える影響を調査し、データを取りながら、慎重に公開を進めていく方針だ。

ほかにも、部屋や廊下など随所に用いられた唐紙や明治から大正期に取り付けられた絨毯やシャンデリアなどの西洋のエッセンスを取り入れた近代の宮廷文化の華やかさも見どころだ。
「元離宮二条城」本丸御殿は、9月1日から一般公開開始。約15人の少人数観覧で、事前予約・時間指定のWEBチケットの購入が必要。一般1000円(入城料、二の丸御殿観覧料、本丸御殿観覧料の合計:一般2300円)ほか。詳しくは公式サイトにて。
取材・文・写真/いずみゆか
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