【独占】光る君へ・柄本佑インタビュー、「道長さん」像を語る

第26回より。柄本佑演じる藤原道長 (C)NHK
吉高由里子主演で、平安時代の女流作家・紫式部(ドラマの名前はまひろ)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。この物語を盛り上げているのが、柄本佑が演じる、時の権力者にしてまひろのソウルメイト・藤原道長の存在だ。
「この世をば 我が世とぞ思う」という歌を詠むような、傲慢なイメージとは一線を画す道長像に高い支持が集まっている。そんな柄本の、貴重な独占インタビューが実現! あの名シーンの裏話や、今後まひろとはどうなっていくの? などを、道長と重なる気さくなムードで語ってもらった。
■ 個性がにじみ出る各監督の演出にも注目
──このインタビューの翌日(6月23日)、道長がまひろの結婚を知らされる第25回が放送されます。SNSでは、道長が苦悶する姿を楽しみにしているという声があふれていますが・・・。
ハッハッハッ! 明日なんですね? (藤原)宣孝から結婚の報告を受けるシーンでは、道長のリアクションとして「・・・・(衝撃、かすかに顔に出てしまう)」と台本にありました。でももう、自分も倫子さんと結婚して、明子さんもいるわけだしね。もし道長とまひろの2人だけの世界だったら、その衝撃が表情に出まくっていたのかもしれませんけど。

──そこはお互い様だから「結婚するのか!! 俺以外の男と!!!」と、必要以上に苦しむようなことにはならない。
そうそう。それはもう当たり前だという、当時の時代のことを踏まえたうえでのシーンになったし、子どもっぽくないというか・・・大人の描き方だなと思いました。
──道長の演技といえば、第18回で疫病にかかった兄・道兼(玉置玲央)を見舞うシーンが、柄本さんの提案で大幅に変わったという話が、すごく印象に残っています。そうやって演じていると「道長はこうじゃない」ということが出てくるのでしょうか?
それは、本当に現場感というか。大石(静/脚本)さんが頭のなかで、人物を動かしながら書かれていることではあるんですけど、僕らが実際に動いてみると、やっぱりそうじゃ済まないところが出てきたりするんです。
あの場面は、道長さんは弱った兄を置いて、サーッと去れるような人じゃないと思って、自分から「これ、一回(部屋を)出たけど戻る?」って言いました。政治家としてはすごく愚かな行為だけど、道長さんは常に論理的に考えられるわけじゃない人間臭さがあるというか、わりと気持ち優先で動く人なので(笑)。

──一度は帰りかけるけど引き返し、感染の危険をかえりみずに道兼を抱きしめたあの場面は、道長のまっすぐな優しさと、兄への愛情があふれた名シーンとなりました。
でもそれも、ベースに「大石さんの書かれた道長像」があったから、ああいう動きが生まれたわけです。あれは中泉(慧)さんが監督の回だったんですけど、僕が「戻る」って言い出して、一回(リハーサルを)やってみると「ありだな」って。
ただ、中泉さんはほかの監督の演出回とかを、結構見渡している人なんです。割と大きな改変だから「俺の回で、この動きをやっていいのかな?」って言って、撮影前にはいろんなところに確認していました。
──監督が複数人いる、長期のドラマならではの話ですね。チーフ演出の中島由貴さんをはじめ、各監督の隠しきれない個性がにじみ出てくるのも、『光る君へ』の一つの楽しみになっています。
そうなんですそうなんです。黛(りんたろう)さんのときは、廃邸に銀粉が降りましたからね。銀粉が出たら「黛さんだ!」と思ってもらって間違いないです(笑)。

■ 彰子入内のシーン「普通に優しい気持ちでやった行為が…」
──藤原道長は、出世のためなら身内や天皇を蹴落とすこともいとわない、強引な政治家という印象がありましたが、柄本さん演じる道長は非常に優しくてひかえめな人物です。これがいつ、私たちの考える「悪い道長」になるのかと、いつもドキドキしているのですが。
周りにもめちゃくちゃ言われるんですよ。「いつ悪くなるの?」って(笑)。僕が登場したのが第2回からだけど、もう5回か6回ぐらいから「まだ悪くならないの?」みたいなことを、ずーっと言われつづけています。24回でも、まだあんな感じですけどね。

──まだ当分、パブリックイメージとは違う道長が見られると。
でも「新たな道長像」とは、僕は思ってないんですよ。僕はね、本当に不勉強で。このお話をいただいて、はじめて道長さんを知ったという、まったく無知のところからはじまったんです。
だから僕のなかの道長さん像は、本当に大石静さんが書かれたものしか知らない。でもそんなに周りが言うほどヒール感のある人物だったとしたら、逆に前情報なんかなかった方が、それはそれで良かったのかもしれないですね。
──とはいえ今後「これぞ道長だ」みたいなことも出てくるんでしょうか。
これから娘の彰子を一条天皇に入内させるんですけど、そのときに公卿たちの名前入りの歌を貼った屏風を用意するんです。それが要するに「彰子の後ろには、これだけの人がいる」ということを示すという、当時としてはえげつない行為に見えたわけですよ。

──天皇にプレッシャーを与えるための、一種のデモンストレーションと思われてもしょうがないですよね。
でも道長さん本人は、世のために娘を入内させなければならなくなったときに、1人の父親として「この子をもり立ててあげよう」という気持ちからやっただけじゃないかと、僕は思うんです。だから道長さんが悪く思われるとしたら、そういう風に普通に優しい気持ちでやった行為が、周囲からはえげつなく見えてしまったということなのかな、と。
■ 道長とまひろの関係「周りからすると一番嫌なパターン(笑)」
──たしかに優しさが裏目に出ることって、現代でもありますよね。そんな道長の本質を、まひろだけが理解してくれるというわけですが、2人の関係はどうなっていくのでしょう。
ビジネスパートナーっぽくなっていくのと、若い頃の恋愛的な関係からは、もう一歩踏み込んでいきます。会った瞬間に気持ちが爆発するみたいなことはなくなっても、周りがわからないようなところで共鳴し合っているという。
ちょうど昨日、その要になるシーンを撮っていたんですけど、今まで培ってきたものが強固になり、もっと深いところでつながるようになったんだなあって実感しました。ここからまた新しい、ソウルメイトとしての関係がはじまるという感じです。

──世にあるほとんどのドラマでは、惹かれあっている男女は恋愛関係を貫き通すものですが、それとはまた違う、別の形の男女関係を作り上げているのが、『光る君へ』のユニークな点だと思います。
そうですね、そんな感じがします。でもそれって、周りからすると一番嫌なパターンだよなあ(笑)。表でいろんなことがあっても気持ちは捨てられないし、盗めないという、そういう心のつながり方をしちゃうとどうしようもない。それがまた、ソウルメイトたるゆえんだとは思うけど、特に倫子さんや明子さんにしたら、たまったもんじゃないですよ。
──その関係が特殊であればあるほど、周りにとっては不可解であり、脅威でもありますからね。
でもなんか、わかるじゃないですか? そういう関係が存在するって。平安時代の話だけど、結局人間って普遍的なものだという、その辺のことを大石さんは、非常にわかって書かれているんです。だからもどかしさも含めて、とってもいいなあと思いながら演じています。
■ 後半の見どころは?「衣装がガラッと変わるまひろ」
──ますます2人の関係と、道長の変化には注目ですね。柄本さんなりに、後半の一番の見どころと思っていることはありますか?
なんだろうなあ・・・あ! これからまひろが内裏に上がってくるんですけど、そうすると衣装がガラッと変わるんですよ。女房装束を着たら、もう紫式部にしか見えない(笑)。シルエットからなにから「え? あれ、式部じゃん!」みたいな。宇治の「平等院」の川をはさんだ向こう側に、(紫式部の)銅像があるじゃないですか? あれが目の前にある感じです。
──見どころを聞かれて、真っ先にまひろを推すというのが、まんま道長さんですねえ。
そこは本当に、楽しみにしてください・・・ああっ! これ、今日(『土スタ』生放送で)言えばよかったー(笑)。
取材・文/吉永美和子
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