【どうする家康】「そういうところ」と言いたくなる、慌てた光秀

『どうする家康』第27回より、信長に叱責され慌てる明智光秀(酒向芳) (C)NHK
古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。7月16日の第27回『安土城の決闘』では「安土の宴」の有名なエピソードの斬新な真相と、被害者のはずの明智光秀への思わぬクレームで盛り上がった(以下、ネタバレあり)
■ どうする家康、光秀を責め立てる
織田信長(岡田准一)に安土城に招かれたことに乗じて信長を討つ計画を立てる家康。家臣のなかには士気をあげる者もいれば、逆に信長に暗殺されることを危ぶむ者もいた。その思惑のなか安土城で大歓迎を受けたが、家康は鯉の料理が匂うと告げ、供応役の明智光秀(酒向芳)は「高貴な料理に馴染みがないのでしょう」と反論する。

しかしこれは、光秀を供応役から下ろすことで、彼を信長から遠ざけるという、家康の企みだった。予想通り、信長はその失態を厳しく責め立て、光秀は羽柴秀吉(ムロツヨシ)の毛利攻めに送られることになった。家康に詫びを入れに来た光秀は「上様はしくじりを決してお許しにならぬお方。私はもう終わりました」と、恨めしげに語るのだった・・・。
■ お前そういうところだぞ、明智
前回のラストで、まさかの「本能寺の変・家康黒幕説」が急浮上したが、信長を討ったのは明智光秀ということは動かしがたい史実。「なぜ光秀は本能寺の変を起こしたのか?」という、この事件の最大の謎に加えて「なぜ家康は本能寺の変を起こせなかったのか?」という、二重のミステリーが仕掛けられたのが、この第27回だった。

まず、その動機のひとつになったと言われる、光秀の家康接待の大失敗。これが光秀のミスではなく、光秀を供応役から下ろすために、家康が言いがかりをつけたというのは、少なくとも筆者は見たことがなかった解釈だ。SNSでも「饗応の騒動をこう解釈したのね」「家康さんの狸芝居スキルが上がってんな」など、その仕掛けと家康の演技に感心の声が。
その謀に巻き込まれた光秀には、「どの明智もどんな明智も、ここはかわいそう」「光秀を殴り倒してる信長より、それを1ミリも表情変えずに見てる殿が怖い」という同情の声が上がる一方、毒を盛るつもりだったのをうっかりバラしちゃったことに「事前に毒など出しているから、この慌てて取り繕う姿でどんどん立場が悪くなる光秀のドツボ」「主人と毒を入れるか相談したとかバラすなwww」など「お前そういうところだぞ明智」的な声も上がっていた。
■ 信長と家康の間にしゃしゃり出る明智
そして家康に(多分入れたくもない)詫びを入れに来た光秀の態度から、このままでは死あるのみという絶望ゆえに、突発的に本能寺の変を起こすのかな? という未来が見て取れた。本能寺の変はドラマによって、さまざまな理由が与えられてきたが、もしこの「やけになった」という感情が一番の引き金になるとしたら、意外と珍しい解釈かもしれない。

しかし、信長は「家康に討たれたい」と願って本能寺に行くのに、そこに光秀がしゃしゃり出る形になってしまうとは・・・。SNSでは、「ここから明智が2人の間に割り込むの逆に無粋じゃないです? 信長キレていい案件じゃない?」「2人の本能寺を横からかっさらっちゃうの光秀ひどい」など、早くも信長の気持ちを推し量る声があふれた。
次回はついに、信長が最期を迎える本能寺の変。これまで大河ドラマでは17回描かれているらしいが、いずれもその作品ならではの趣向があふれていて、作り手側にとっては「これが私たちの本能寺です!」という、集大成的な気持ちが込められるものなのだろう。岡田准一いわく、「セクシーで悲しさがある」という『どう家』版の本能寺、しかと見届けたい。
『どうする家康』はNHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムは夕方6時から、BS4Kは昼12時15分から放送。7月23日の第28回『本能寺の変』では、家康が堺で信長暗殺の手はずを整えている間に、光秀が本能寺に滞在する信長に奇襲をかける様が描かれる。
文/吉永美和子
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