らんまん第5週振りかえり・キツネノカミソリ

「キツネノカミソリ」を見つけた万太郎(手前、神木隆之介)と、その様子を眺める竹雄(志尊淳)、タキ(松坂慶子)、市蔵(小松利昌)、綾(佐久間由衣)(C)NHK
高知の由緒ある造り酒屋「峰屋」の跡取り息子として生まれた主人公が、やがて植物学者となって天真爛漫に明治の世をかけぬける様を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。5月6日は、「キツネノカミソリ」と題する第5週(5月1日〜4日放送)を振りかえる。
自由民権運動をおこなう秘密結社「声明社」を率いる早川逸馬(宮野真守)と知り合った主人公・万太郎(神木隆之介)。万太郎は、自由を求めて活動する仲間たちや、ジョン万次郎(宇崎竜童)の話を聞いたことで、当主として「峰屋」を継ぐのではなく、植物学を究めることを決める。
自分の行きたい道を進むと心に誓った万太郎は、姉・綾(佐久間由衣)と奉公人・竹雄(志尊淳)にも自由に生きてほしいと伝える。綾は「峰屋のために生きる」と宣言し、竹雄はそんな2人を支えていくことを誓う。約束を交わす3人は、晴れ晴れとした表情を浮かべる。
佐川に戻る前に「声明社」の演説場に参加した3人だったが、そこへ突如警官隊が乱入。首謀者だと誤認された万太郎や、逸馬たち「声明社」の面々は捕らえられてしまう。万太郎は、高知の警察署で独房に入れられてしまうのだった。

過酷な尋問を受ける逸馬のもとに連れていかれた万太郎は、警察から仲間だと認めるように迫られる。万太郎をかばうためにあえて万太郎への暴言を口にし、逸馬は「仲間じゃないき。そんなやつ」と言い放つ。一方で、万太郎の祖母・タキ(松坂慶子)は、竹雄の知らせで事の顛末を知り、自ら警察へと駆け付ける。タキは、伝手を辿って万太郎を牢から出すのだった。
佐川への帰路につく万太郎だが、牢に残る逸馬のことが気がかりにでならない。そんな万太郎に対し、タキは「おまんは捨てたがじゃ。ほんなら振りかえりな。かわりに、何をするがじゃがろう」「何かを選ぶことは、何かを捨てることじゃ」と声をかける。その言葉は万太郎の心に深く刺さる。
その道すがらで万太郎は、逸馬の着物のように鮮やかなだいだい色の花「キツネノカミソリ」を見つける。万太郎が知らなかったその名をタキが口にすると、驚くとともに「わし、おばあちゃんともっともっと話しよったらよかった。」と零すのだった。
佐川に戻ると、万太郎と綾は夫婦にはなれないことをタキに伝える。綾は「新しい酒を作って峰屋を大きくしたい」と願い出る。そして万太郎は家族や峰屋への感謝を込めて「みんなぁがお日さんみたいに、わしを育ててくれた。ほんじゃき、わしは何者かになりたいがよ」 と口にし、「植物の道に進みたい」という夢を強くタキに訴えるのだった。

そして季節は巡り、秋。今年も酒造りの季節が訪れ、分家や蔵人たちも「峰屋」に揃った日に、万太郎は峰屋を姉の綾に任せることを宣言する。分家から厳しい反対の声も出るなか、綾は酒造りへの思いを懸命に伝える。
「私の願いは、峰屋でうまい酒を造り、店をもっと大きゅうすること。そのために力を尽くしますき。皆の衆、どうかよろしゅうお願いいたします」と、峰屋を託された綾は涙を流しながら自分の思いの竹を伝える。幼い頃から綾の熱心さを知っている峰屋の従業員や蔵人は、綾の決意を受け入れるのだった。
それから半年。万太郎は竹雄とともに「土佐植物目録」作りに明け暮れ、標本づくりに勤しんでいた。そしていよいよ東京行きの日が迫るある日、万太郎はある思いを竹雄に告げて・・・。
本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、激動の時代に草花と情熱的に向き合い続けた植物学者の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。
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