実は身近に!?ちょっと怖い「異界」感じる展覧会が大阪歴博で

文楽首 お岩 明治時代 大阪歴史博物館蔵
天狗や河童などの妖怪や魔物たちが住んでいるといわれる「異界」。実は私たちの身近にあるというのも驚きだが、日常での異界との交感が実感できる特別企画展『異界彷徨―怪異・祈り・生と死―』が「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)で、4月28日にスタートした。
同展は、重要文化財「十二天像 珍海本」(前期後期で計6幅)など、初展示となる名品が多数出展。同展を担当する俵和馬学芸員は、「歴博、こんなん持ってたんや!と、異界の視点で見直していただき、『異界』は日常と紐づいていると感じてもらえれば。妖怪展とは違います!」と力を込める。
その説明の通り、民俗学や文化人類学、歴史学の視点で展示は構成され、妖怪たちを通じ、日常にある「異界」を行き来しながら、同館の学術的な底力を総動員した見応えのある内容になっている。
異界について、「(天変地異や災厄など)ものごとが分からない時代に心穏やかに暮らすための技術」と解説する俵学芸員。3章立ての展示を概観する序章では、日本民俗学の父・柳田國男の『遠野物語』の一節からスタートし、夢落ちの原点ともいわれる橋本関雪が描いた≪邯鄲夢枕図(かんたんゆめまくらず)≫が出迎えてくれる。

さらに、中国では凶兆を示す流星だが、日本では仏敵であり、山神信仰、修験道と結びついた天狗や水神だったものの零落し、開発に伴う水難事故をあらわすようになった河童などスタンダードな妖怪たちも登場する。
そして、2章・3章がいわゆる妖怪展とは異なり、魔除けや神仏の霊験にまつわる民間信仰資料、地獄など人の生と死に関わる資料が充実。我が身に降りかかる災いを除けるための「お守り」や神様のメッセージとして捉えられていた「夢」、子どもの健やかな成長を願う節句といった伝統行事などは、異界との結節点であり、実は今までも結構気軽に異界に行っていたのだと実感するだろう。
会期は6月26日まで。常設展示観覧料(大人 600 円、高校生・大学生 400 円)で観覧可能。詳しくは公式サイトにて。
取材・文/いずみ ゆか
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