世知辛い…ヤバTだけじゃなかった、歌詞で分かる物価の変化

3度目の歌詞変更をおこなった、大阪発のバンド・ヤバイTシャツ屋さん
食品や紙製品など日用品が次々と値上がりしていく昨今、値上げの波はなんと楽曲の歌詞の世界にまで影響を及ぼしている。
2023年4月、ライブハウスを中心に活動するバンド「ヤバイTシャツ屋さん」(通称:ヤバT)は、楽曲『喜志駅周辺なんもない』内のフレーズを運賃改定にともない変更すると発表。
メンバーの出身校「大阪芸術大学」の最寄り駅である近鉄「喜志(きし)駅」にまつわる悲哀をコミカルに歌う同曲だが、3月までは「天王寺まで410円はイタい」だったところを、値上げ後の4月からは「490円はイタい」に変更するという。実はこのフレーズが変更されるのは3度目のことで、当初は「390円」だったというから驚きだ。
当該ツイートに対して、SNSでは「約9年で100円上がったのか・・・」「490円はマジでイタい」など、時代の流れや物価上昇を嘆くリプライが多数寄せられた。
もちろん、今回のように正式に歌詞変更がおこなわれるケースは極めて珍しいだろう。とはいえ、ほかにも現在の物価や価格帯には合わなくなってしまった歌詞があるはず・・・。そこで、類似のケースを調べてみた。
■ 現代では買えない「100円のぬくもり」
まずは同じくヤバTの楽曲『週10ですき家』から。1人暮らしの「僕」が、毎晩のように牛丼(並盛)を買いに「すき家」へと走ってしまう・・・という内容の曲だが、問題は「100円玉3枚 握りしめて」というフレーズだ。
同店で並盛サイズが300円で買えたのは2015年までのことで、現在の価格は400円(2023年4月時点)。もしも最新版に直すとしたら、「100円玉4枚 握りしめて」が正しいようだ。
タイトルの時点で分かりやすいのが、クリープハイプの楽曲で2014年に公開された映画『百円の恋』の主題歌『百八円の恋』だろう。映画タイトルにある「100円」に、当時の消費税・8%を掛けた価格が曲名となっている。こちらも曲が発表された約5年後に消費税が10%に増税しているため、発表される時代が違えば『百十円の恋』になっていたかもしれない。
さらに時代をさかのぼってみると「盗んだバイクで走り出す」のフレーズであまりにも有名な尾崎豊の『15の夜』にも、物価高騰を実感できる歌詞があった。
「100円玉で買えるぬくもり」として缶コーヒーを握りしめる、センチメンタルな情景が浮かぶ歌詞があるが、最近は100円で缶コーヒーを購入できる自販機も珍しくなっている。消費税が導入される以前の1983年に発表された曲なのでそれも当然だが、缶コーヒーといえば130円〜150円という価格帯が定着している現代からするとなんとも羨ましい。
ほかにも、メンソールタバコを200円程度で購入できた時代の『Anytime smokin’ cigarette』(globe)や、封書を62円で送れていた時代の『my life』(Mr.Children)など、当時の物価がうかがい知れる歌詞はまだまだあり、調べながら世知辛さをひしひしと感じたのだった。
文/つちだ四郎
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