宮藤官九郎の新作舞台、まさかの「ポケモンGO」が起源だった

演出家・脚本家の宮藤官九郎
数多くの人気ドラマを手掛ける脚本家・宮藤官九郎が、芝居を作るユニット「ウーマンリブ」。2020年に上演予定だった最新作『もうがまんできない』の、待望の有観客公演が決定。大阪公演に向けて、宮藤のリモート取材がおこなわれた。
■ 「なんだか世の中がギスギスしてるなあ」
携帯の位置ゲームをプレイしていて、都会のエアポケット的な所に集まった、漫才コンビやサラリーマン。彼らはそれぞれ「もうがまんできない」という事情を抱えていた・・・というシチュエーション・コメディ。その発想の源になったのは、数年前に爆発的に流行した「ポケモンGO」だったという。
宮藤は、「たまたま街を歩いていたら、いろんな所に人がゴチャッと集まって、なにか一生懸命スマホでやっているという光景を見て。それがすごく、滑稽で奇妙に思えました」と振りかえり、その違和感に「コロナの前から、なんだか世の中がギスギスしてるなあ・・・と思いながら生きていた」という、今の社会に対する個人的な思いも反映させた作品だ。
2020年の初演は緊急事態宣言のため、テレビ撮影用の無観客公演をおこなったのみ。そのときは漫才コンビの役を、柄本佑と要潤が演じたが、今回は仲野太賀と永山絢斗にチェンジ。前回は柄本・今回は仲野が演じる、ネタ書き担当の芸人は、実は自分自身を重ねた役柄だそう。

「2人は解散寸前なんですけど、目の前で起こる出来事が自分たちのネタよりおもしろいというので、絶望的な気持ちになるんです」とコンビの状況を説明して、「ネタを書く方の人が、自分のようなんですよ。『周りには好き勝手生きてておもしろい人がいっぱいいるのに、俺はなんでこんなにつまらないんだ』みたいなことを、ずっと思ってるというのが、すごく自分を投影しているような気がします」と心境を語った。
■ 「あえてアップデートはしたくない」
3年前に書いた戯曲で、しかもメンバーが入れ替わるとなると、大きく書き換えるのか? と思いきや、意外にも「今おもしろいと思ってることをネタで入れるけど、大筋は変えません」と宣言。
「お笑いコンビの解散にしても、夫婦の離婚にしても、ちょっとした我慢が積み重なって『やっぱりもういいや』ってなるけど、世の中が大きな我慢を強いられると、逆に強い連帯感が生まれるんです」と、コロナ禍を背景にすることのそぐわなさを明かし「我慢できない人たちが『がまんできない』という気持ちを持て余す、という感じの空気感にしたいから、あえてアップデートはしたくないと思っています」と希望を語った。
『もうがまんできない』は阿部サダヲ、仲野太賀、永山絢斗、皆川猿時、荒川良々などが出演。4月の東京公演を経て、大阪は5月18日~31日に「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)で上演。チケットは一般8500円、ブリーゼシート6000円、22歳以下3800円で、4月9日発売開始。
取材・文/吉永美和子 写真/三浦憲治
舞台『もうがまんできない』
会場:サンケイホールブリーゼ(大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー7F)
期間:5/18(木)~5/31(水)
料金:指定席8500円、ブリーゼシート6000円、ヤング券3800円
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