「尼将軍、爆誕!」実朝の夢破った義時の包囲網が完成【鎌倉殿】

由比ヶ浜にて。ある騒ぎを目撃する義時たち。左から、北条泰時(坂口健太郎)、北条義時(小栗旬)、三浦義村(山本耕史)(C)NHK
三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。11月6日放送の第42回『夢のゆくえ』では、独自の政をはじめた実朝だけでなく、尼御台・政子も義時との対立を深めていく様子が描かれた(以下、ネタバレあり)。
■ 実朝の野望を阻止した義時に、政子&泰時がついに反抗
「和田の乱」をきっかけに、鎌倉殿の自覚が芽生えた実朝(柿澤勇人)は、義時とは距離を置き、義時の息子で従兄弟の泰時(坂口健太郎)を側近にする。一方で義時は、妻ののえ(菊地凛子)や、のえの祖父・二階堂行政(野仲イサオ)に焚きつけられたこともあり、二代執権に正式に就任した。
その頃、実朝の補佐役・源仲章(生田斗真)に連れられて、宋(中国)の僧侶・陳和卿(テイ龍進)が鎌倉を訪問。彼は実朝を見て「前世で実朝様は医王山の長老で、私はその門弟でございました」と涙を流すが、それは実朝が夢日記に記した内容とも一致していた。運命と使命感をおぼえた実朝は、宋に向かうための船を造ることを決意するが、義時は強く反対する。

一方、今の立場に迷いを抱いている尼御台・政子(小池栄子)は、鎌倉を訪ねた丹後局(鈴木京香)から「いいかげん覚悟を決めるのです。人並みの人生など望んではなりませぬ」と発破をかけられ、政所・大江広元(栗原英雄)にも、「あのお方(源頼朝/大泉洋)の思いを引き継ぎ、この鎌倉を引っ張っていくのはあなたなのです」と励まされ、政に深く関わる決意をする。
八田知家(市原隼人)の協力で完成した船だが、義時の弟・時房(瀬戸康史)が、義時の差し金で設計図を改ざんしたため、船は進水すらできなかった。深く打ちひしがれた実朝だが、政子の入れ知恵で、自分は家督を譲って大御所になることと、後継として京から養子を迎えることで、新たな体制を作ることを宣言。
異を唱える義時に対して、政子は「北条あっての鎌倉ではない。鎌倉あっての北条」と、かつて義時が父・時政(坂東彌十郎)に向けた言葉を投げつけ、泰時も「鎌倉は父上ひとりのものではない!」と一喝。この思わぬ反抗に対し、義時が怒りを燃やしているところに、二代鎌倉殿・頼家(金子大地)の遺児・公暁(寛一郎)が、京から鎌倉に戻ってくるのだった──。
■「俺たちのトキューサ」が・・・! 義時の1番の忠臣に
まさに実朝と鎌倉に不穏な影を落とす、造船の失敗や後継者問題が浮上した第42回。渡宋計画の頓挫については、陳和卿が船の設計には不慣れだったとか、そもそも遠浅の由比ヶ浜で進水式をおこなうこと自体が無謀などの原因が挙げられているが、義時が実朝の野望を阻止するためとは、まさに本作の三谷幸喜らしい(?)鬼畜な理由だろう。
SNSでも「船の重さの数値を改ざんしたのかー! つまり最初の数値のままだったら船は海へ行けたっていう・・・なんて残酷な解釈」「実朝の権威を傷つけておとしめるためにここまでするか」「実朝様だけでなく八田殿の職人魂までもフイにするなんて」という非難の声が続出。

さらに、おそらくは兄の発案で、設計図の数値を書き換えた「トキューサ」こと時房にも、「俺たちの癒やしのトキューサが・・・」「害の無さそうな顔して義時の暗黒面で1番の忠臣なんだよな」「最近もう無邪気というよりも罪悪感を備え持ってない人っぽく見えてきて怖い」などの流れ弾が。
ただその一方で、「義時くん身内の味方がトキューサしかいない」「闇堕ちした義時に意見したり酒を注げるのは、泰時くんじゃなくって俺たちのトキューサだけなんだな」「自業自得な面はあるものの、今の義時は大好きな姉と最愛の息子にそっぽを向かれている状態なので、せめて時房は最後まで義時に寄り添ってほしい」という励ましもあった。
■ 「反・義時」に舵を切った政子、きっかけは丹後局
さらに今回の大きな見どころだったのは、実朝に続いて、姉の政子も「反・義時」の方向に舵を切ったことだろう。そのきっかけのひとつとなったのが、丹後局とのまさかの再会。「権力者に添い遂げた女性」の先輩として(丹後局は後白河天皇の側室)、大姫入内の相談のときと同じく、愛のある厳しい言葉をバッシバシと投げかけた。
その姿に、SNSでは「さすが魑魅魍魎の棲家である御所で生き抜き、天下の大天狗の寵愛を一身に浴びた方」「言葉は厳しく聞こえるけど・・・政子の気持ちを汲み取れるのは彼女だけなのかもしれない」「丹後局が『北条政子』の政治的な師匠のような役割を担う展開、控え目に申し上げて最高」という称賛の言葉が。
そしていよいよ、積極的に政に関わっていくようになった政子に、「子や孫と穏やかな日々を過ごす老婆という幸せはもう望まない。義時にも怯まない。尼将軍爆誕の瞬間はここだろうか」「一押し二押しされた政子ちゃんがいよいよ尼将軍に。かっこよく輝き始める・・・素敵」と、ワクワクする声が続々と上がった。
その一方で「政子の建策、確かに実朝の力は強まるかもしれないけど、公暁の怨嗟と三浦の不満が八幡宮に繋がるやつでは? 展開次第では政子がめちゃくちゃ傷付くルートに突入してしまった」「小四郎が周囲の人々によって今の北条義時になっていったように、政子もこうやって着々と我々が知る歴史の尼御台になっていくのだなと感じる。今日、政子は引き返せないラインを超えた感覚がした」と、これからの険しい道を予想する声も多かった。
◇
『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第43回「資格と死角」では、四代目鎌倉殿の座をめぐって、実朝&政子と義時だけでなく、公暁と三浦義村(山本耕史)、さらには朝廷をも巻き込んだ争いが繰り広げられる。
文/吉永美和子
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