あの企業のロゴも!関西が誇るデザイナー、今竹七郎の回顧展

展覧会会場風景。さまざまな企業の社章、ポスター、パッケージデザインが並んでいる。なかには輪ゴムの「オーバンド」(株式会社 共和)など、現在も使われ続けているデザインも
昭和の関西で大活躍したグラフィックデザイナー、今竹七郎(1905~2000)。彼の業績を振りかえる展覧会が「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)で、12月6日までおこなわれている。
今竹は神戸に生まれ、戦中から亡くなるまで西宮市に居住していた。デザイナー人生は1927年に入社した神戸大丸意匠部から始まり、1931年に大阪高島屋に転職、戦後は大阪にスタジオを開設し、住友銀行、東レ、住友化学、近江兄弟社、丸善石油、新日本電気(NEC)など、名立たる企業のAD(アートディレクター)を務めた。また絵画制作もおこない、抽象絵画や「モナリザ」シリーズなどの作品を残している。

本展では400点以上の作品・資料で彼のキャリアを一望。百貨店時代のポスターやパンフレット、現在もほぼ同じデザインが使用されている株式会社共和の輪ゴム「オーバンド」などの仕事は、今見ても魅力的だ。また、学生時代のノートには印刷物さながらの精密な図版が描かれており、その早熟ぶりが窺える。スケッチ類も豊富で、企業のロゴマークを練り上げていく過程が手に取るように分かる。
現代のデザインはデジタルだが、今竹の時代はすべてを手作業でおこなった。それゆえ彼のデザインには当時最先端の洗練と同時に、手作りの親しみやすさが感じられる。社会に浸透し、我々の日常生活を豊かにしてくれるデザイン。その素晴らしさが伝わる好企画だ。一般1000円。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
『没後20年 今竹七郎展~近代日本デザインのパイオニア~』
期間:2020年10月10日(土)~12月6日(日)※水曜休
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで
会場:西宮市大谷記念美術館(西宮市中浜町4-38)
料金:一般1000円、大高生600円、中小生400円
電話:0798-33-0164
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
銀行の中にスタバ!? 関西1号店行ってみた[PR]
NEW 9時間前 -
大阪・関西万博2025、人気グルメから穴場スポットまで…最新情報まとめ
NEW 10時間前 -
大阪のおすすめビアガーデン2025年最新版
NEW 2025.4.29 12:00 -
万博・タイパビリオン、大屋根リングから歓声も[PR]
NEW 2025.4.29 12:00 -
京都・川床おすすめランチ&ディナー、鴨川・貴船・高雄エリア別【2025年】
NEW 2025.4.29 11:00 -
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2025年完全版
NEW 2025.4.28 11:00 -
新社会人に告ぐ! 仕事の「#真相をお話しします」[PR]
2025.4.24 17:00 -
「えびそば一幻」が大阪初進出、バブル期の象徴に[PR]
2025.4.24 07:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.4.23 11:00 -
京都のホテルで楽しむ、アフタヌーンティー2025年最新版
2025.4.18 10:00 -
神戸のホテルで贅沢に、アフタヌーンティー2025年最新版
2025.4.10 11:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.4.10 11:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2025年最新版
2025.4.2 19:30 -
春は桜も!ガイドブックにもない、淡路島秘境ツアー[PR]
2025.4.2 07:00 -
テンプル大学、学生たちの京都生活。【PR】
2025.4.1 11:00 -
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
2025.3.31 16:45 -
坂本龍馬の生家跡・ホテル南水、ラグジュアリーに改装[PR]
2025.3.30 07:00 -
万博迫る!大阪2カ所でオランダパビリオンお披露目[PR]
2025.3.29 18:30 -
ワインのような日本酒? 高知県に期待の新蔵が誕生[PR]
2025.3.29 07:00 -
大阪でなぜ?KITTE高知ショップ、意外な売れ筋[PR]
2025.3.28 07:00 -
2025年は開業ラッシュ!大阪・梅田の新商業施設まとめ
2025.3.27 12:00