映画評論家が観る朝ドラvol.2「納得できるかが脚本の腕」

第97回より、川原家のみんなにあることを告げる三津。左から三津(黒島結菜)、百合子(福田麻由子)、マツ(富田靖子)、喜美子(戸田恵梨香)、八郎(松下洸平)©NHK
数々の映画メディアで活躍し、本サイトLmaga.jpの映画ブレーンでもある評論家ミルクマン斉藤。映画の枠に収まらず多方面に広く精通する彼は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)も注意深くチェックするという。『スカーレット』第17週(1月27日〜2月1日放送)を振りかえって思うところを訊いた。
第17週「涙のち晴れ」
前回の原稿を書いた翌日の放送で、事なかれ主義も大概にせえよとツッコミたくなる展開が。あまりにもあっさりと、三津(黒島結菜)が自ら身を引いてしまった。思わせぶりな描写を裏切り、彼女は眠った八郎にキスさえしていないのに。
まあ、こんなことくらいでも「浮気」だのどうだのと糞モラリズム振りかざされかねない昨今、優柔不断な展開が続いてきた水橋文美江脚本に、『カーネーション』の渡辺あやのような大胆さを期待するようなことももはやないのだが、それにしてもあんまり適当すぎないかい? 少なくともモデルである神山清子は、実際に女弟子と浮気した夫と離婚しているのである。
これまで八郎が、喜美子の陶芸家としての才能にコンプレックスを抱いていることを表明したのは三津に対しての告白一度っきりだった。なのにこの週、八郎の小物っぷりが堰を切ったように露わになる。

「浮気で離婚」というとっても判りやすい展開を諸事情あってか回避するのはまだ許せる。そこんとこ、観るものが納得できるようにどう切り抜けるかが脚本の腕ってモンだろう。
だがここでもまたいきなり、今まで穴窯に挑む喜美子を応援してきたはずの八郎が、「薪代のことを考えて諦めろ」とか「売れるための名声のほうが先や」とか言いだす始末。
しかも、これまた唐突に芸術家に目覚めたような喜美子から「ハチさんに足りないのは信じる力や」と真っ向からぶちかまされると、「(息子の)武志連れて出て行くわ」と勝手な別居宣言するって・・・、どれだけヘタレやねんと呆れるしかない。
この週の収穫は、少年・武志役の中須翔真くんがとっても巧い俳優だと判ったことかな。

文/ミルクマン斉藤
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