大阪人も行かない夢洲、万博・IRで変わる

大阪府が配布する「大阪・夢洲地区IR予定区域(概要図)」より
2025年『大阪・関西万博』の会場であり、それまでに開業を目指すIR誘致先でもある大阪湾岸部の人工島・夢洲地区。世界中から観光客が訪れる万博・IRの会場となる夢洲の交通網は、今後どのように変わるのか。
すでに決定しているのは、舞洲、夢洲、咲州を結ぶ大阪メトロ中央線の延伸。「大阪メトロ」が2018年に発表した斬新なデザインの夢洲駅構想も話題となった。
また、自動運転バスの実証実験も夢洲を含む湾岸部でおこなわれており、万博開催時期には自動運転バスが観光客の移動手段として計画されている。
そして、2019年12月に公表されたIR運営事業における募集要項には、自家用車でのアクセスは夢洲内に駐車場を確保しているクルマのみと明記。スマホを使うなど具体的な手段については今後協議がおこなわれるが、クルマでの入場は制限がかかり、地下鉄・バス・船でのアクセスが基本となる。

このほかヘリポートや空飛ぶタクシーなど、将来的には多様な交通網が設置される可能性はあるが、この募集要項には、観光地としてのIR施設にとどまらず、関西、西日本、全国へとつながる交通アクセスの拠点になることも記載。
特に、海に面した立地を活かして瀬戸内や神戸、四国、九州などに向かう新しい海上アクセスやバス交通のネットワーク形成に努めることが組み込まれている。
大阪府の吉村洋文知事は12月24日の定例会見で、「IRは、日本全体と一体化することでその価値を高めることができ、世界中の旅行者が夢洲から日本各地に足を運べればIR自体の価値を高められる。ベイエリアが輝き、世界最高水準のIRにしたい」と明言。
現在のアクセスは路線バスのみで地元住民でもなかなか足を運ばない夢洲だが、今後はあらゆる交通網を整備し、国際観光拠点となることを目指しているようだ。
取材・文・写真/岡田由佳子
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