一遍が開祖の時宗、京都で名宝を一挙公開

国宝《一遍聖絵》(巻2、部分) 円伊筆 鎌倉時代 神奈川・清浄光寺(遊行寺)蔵 通期(巻替あり)*画像の場面は前期展示(4/13~5/12)
鎌倉時代後半に一遍(1239~1289)が開き、真教(1237~1319)が発展させた仏教の宗派「時宗」。時宗の名宝を集めた展覧会が「京都国立博物館」(京都市東山区)で、6月9日までおこなわれている。
一遍は念仏(南無阿弥陀仏)を唱えれば誰もが往生できると説き、諸国を行脚して(遊行)、念仏札を配り(賦算)、布教に努めた。その活動を通して生まれたのが、鉦(かね)や太鼓を叩いて拍子を取り、踊りながら念仏を唱える「踊り念仏」である。その熱狂は身分を超えて当時の人々を魅了した。そして一遍の往生後、彼の意思を継いだのが真教である。彼は全国各地に道場を建て、時宗教団を整えるのに尽力した。

今年が真教の700年御遠忌となるのを記念した本展では、一遍の生涯をまとめた国宝の絵巻物「一遍聖絵」全12巻を、関西では17年ぶりに全巻公開。大判の絹地に当時の風景や人物を精細に描いた本作は、中世の歴史を語るうえでも重要だ。また、真教の足跡を綴った「遊行上人縁起絵」や、歴代祖師の肖像画、肖像彫刻、時宗寺院に伝えられた名宝の数々が一挙公開される。京都と時宗はゆかりが深いが、これだけの規模で時宗展がおこなわれるのは初めて。その意味でも貴重な機会と言える。料金は一般1500円。
文/小吹隆文(美術ライター)
『特別展 時宗二祖上人七百年御遠忌記念 国宝 一遍聖絵と時宗の名宝』
期間:2019年4月13日(土)~5月12日(日)、5月14日(火)~6月9日(日)※月曜休(4/29・5/6開館、5/7休館)※会期中、一部の作品は前後期以外にも展示替えあり
時間:9:30~17:00(金・土曜~20:00)※入館は閉館30分前まで
会場:京都国立博物館(京都市東山区茶屋町527)
料金:一般1500円、大学生1200円、高校生900円
電話:075-525-2473(テレホンサービス)
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