攻める京都水族館、ブッ飛んだ企画の数々

「京都水族館」内の「京の海」大水槽
「思いのほかマニアックになってしまいまして・・・」(広報担当者)
万人受けはしないであろう攻めた企画について、「京都水族館」で企画と広報の両方を担当してきたスギ(別名:クロカンパチとも言われる)好きの松本さんと、2年目のオットセイ好き・前田さんに話を伺った。
──毎回ブッ飛んだ企画をしている理由はなんですか?
前田さん「えっ、ブッ飛んでいるんですか? 私たちは尖った企画だと思っていないので・・・麻痺しているのかもしれません(笑)」
松本さん「SNSでの反応にこちらがビックリすることのほうが多いです(笑)。そもそも京都水族館は、文化財が多い街に位置していて、オオサンショウウオや鴨川、桂川にすむ魚などがメインなので、少しマジメな印象を持たれる方も多いかなと思うんです」

──確かに、海のない盆地にありますし、なんかマジメなイメージありますね。
松本さん「そうなんです。でもいきもののおもしろさや、飼育スタッフの強い愛は常々感じていて。『京都水族館っておもしろいよ』というのをスタッフから引き出して伝えていくのは企画・広報の仕事なので、入り口を広げてとことんやる、という意識でいつも企画をみんなで考えています。お寺や神社など観光スポットがたくさんあるなかで、水族館を選んでいただいたからには楽しく過ごしていただきたいので」
──飼育スタッフとの話し合いは結構な頻度でおこなわれてるんですか?
前田さん「飼育スタッフからのいきもの情報は、雑談など日々のコミュニケーションで知ることが多いです。ただ、今回の『私の愛するいきもの展』は、飼育スタッフ全員に『心から愛するいきものはなにか』というアンケートを採ったんです。用紙びっしりに綴られた回答ばかりで選べなかったので、『筆圧の強さ=愛の深さ』というルールをやむを得ずつくって、今回の主役を選出しました。全員、私たちの想像を遙かに超えた熱量で驚きました(笑)」
──ニセクロナマコとカギノテクラゲ・・・まさかのチョイスでした。
松本さん「思いのほかマニアックになってしまいましたが・・・(苦笑)。京都水族館において、いきものへの愛はとても大切なこと。採算も大事ですけど。なので、やるからには来てくださったみなさまに満足していただけるものをと、とことん突き詰めた結果、オタク部屋のようになりました」

──その全力っぷりはひしひしと伝わっています。今日も「京都水族館、アホやなぁ〜」って笑いながら、展示を見ている人がたくさんいました。
前田さん「ありがたいです。京都水族館は『近づくと、もっと好きになる。』というコンセプトを掲げて、来館者といきものの物理的な距離はもちろん、いきものの個性をもっと知って、身近に感じてもらうためにいろいろ企画をしてきました。その成果のひとつが『ペンギン相関図』なんですね。飼育スタッフの顔が見えることで親しみが湧くし、1羽1羽の個性をじっくり理解できて興味が出てくる。私たちもかなり勉強になるんです」
松本さん「京都水族館は、いきものの解説版の数は少なめです。そのため、楽しい企画やフィーディングプログラムのなかでの解説を通じたコミュニケーションを大切にしていますね」
──そういえば、解説版少ないですね。 でもごはんの時間などでたびたび説明してくれるので、解説版を読むより興味が湧きます。
松本さん「飼育スタッフによる恋愛相談やコラボメニューなども、いきものだけでなくいろんな入り口から京都水族館を楽しんでいただけたら、と思って企画しました。館長も『楽しく学べるならOK』だと。その結果、来館者と飼育スタッフの距離や、企画を通して一緒に来た親子、カップル、友だち同士の距離も縮まっていただけたらうれしいですね」

まさか攻めた企画をしている意識がなかったとは・・・驚きの答えだった。来館者にとって関心がないいきものでさえも最終的に楽しませる、そんな難題をアクロバティックにこなすその裏側にあったのは、いきものへのただただ純粋な愛だった。全国には珍しい動物の展示や見せ方で工夫を凝らしてきた施設は多数あるが、「京都水族館」のようにいきすぎた愛情で伝える施設もある。今までとは違った楽しみ方が、きっとできるはずだ。
「京都水族館」
住所:京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)
営業:10:00~18:00 ※季節により異なる(最終入館は閉館の1時間前)
料金:入場料=大人2050円、大高生1550円、中小生1000円、3歳以上600円
電話:075-354-3130
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