神戸で、クセ者アーティスト3人の展覧会

大前春菜《Excess shape》2017
30歳未満のアーティストを公募で選出し、アーティスト自身が展示プランを企画した展覧会『合目的的不毛論』が、「神戸アートビレッジセンター」(神戸市兵庫区)で11月18日から始まります。
これは同センターが2008年からおこなっている公募企画『1floor』で、展示スペース「KAVCギャラリー」と、コミュニティスペース「1room」を舞台にした展覧会を、アーティストと同センタースタッフが協働して作り上げるのが特徴です。10回目となる今回は、大前春菜、菊池和晃、澤田華が選出されました。3人の作風はそれぞれ異なります。大前春菜は肉体の皺やたるみに関心を持っており、石膏、樹脂、ロープ、木材などを組み合わせて彫刻を制作します。肉感的な丸みが感じられる一方、拘束された身体のようにも見える個性的な作品です。

菊池和晃は自身の身体や実演と、映像、画像、立体などを組み合わせたインスタレーションを制作します。また、ユニット活動も並行しておこなっています。生身の身体と社会、あるいは美術史を対峙させ、鮮烈な表現で観客にメッセージを投げかけているのです。

一方、澤田華の作品はコンセプチュアルで、答えのないクイズのような風合いを持っています。写真に写り込んだ正体不明の物体や会話の断片など、日常生活で生じる些細なノイズに着目し、抜け落ちた情報を映像や立体で補完しながら想像を膨らませていくのです。
このように異なる個性を持った3人が、いかにして各自の個性と展覧会の統一感を両立させるのかに注目してください。なお「合目的的不毛論」とは、3人の制作過程において不毛に見える部分が、彼らにとっては理にかなった行為であると確信していることに由来します。このタイトルからも、本展のクセの強さが窺えます。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
1floor 2017『合目的的不毛論』
期間:2017年11月18日(土)〜12月10日(日)
時間:12:00〜19:00 ※火曜休
会場:神戸アートビレッジセンター(神戸市兵庫区新開地5-3-14)
料金:入場無料
電話:078-512-5500
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