美術工芸の国宝の1/4が、京都に

慧可断碑図 雪舟筆 愛知・斉年寺(向かって左)と、天橋立図 雪舟筆 京都国立博物館(同右) 展示期間:1期と2期(10/3〜10/29)
展示物のすべてが国宝という夢のような展覧会が、「京都国立博物館」(京都市東山区)で10月3日より始まりました。同展は、京都国立博物館の開館120周年(開館当時の名称は「帝室京都博物館」)と、国宝という制度を定めた「古社寺保存法」(現在の「文化財保護法」の先駆け)の制定120周年を記念しておこなわれるものです。京都で国宝展が行われるのは、実に41年ぶりです。
展示総数は210件。これは美術工芸品の国宝全855件の約4分の1に当たります。本展ではそれらを12のジャンルに分類し、会期を4期に分けて公開します。現在開催中の1期(10/15まで)の見どころはどこでしょう。それはずばり、室町時代の水墨画家・雪舟です。彼の作品は6点が国宝に指定されていますが、今回、そのすべてが一堂に会してます(6点全部が見られるのは10/22まで)。

また、江戸時代初期の絵師・俵屋宗達の《風神雷神図屏風》、縄文土器を代表する《深鉢形土器(火焔型土器)》や「縄文のヴィーナス」と呼ばれる土偶、飛鳥時代の刺繍《天寿国繍帳》、奈良時代の仏画《吉祥天像》なども1期に登場。もちろん他の展示物もすべてが国宝であり、どこを向いてもお宝ばかりという信じられない状況が実現しています。
今後、10月17日から始まる2期には《風俗図屏風(彦根屏風)》や曜変天目の茶碗が登場。10月31日からの第3期以降も、長谷川等伯《松林図屏風》と長谷川久蔵《桜図壁貼付》の親子共演、円山応挙の《雪松図屏風》、禅画の名品《瓢鮎図》、教科書でお馴染みの《伝源頼朝像》や《源氏物語絵巻》、100年以上ぶりに京都に里帰りする尾形光琳 の《燕子花図屏風》など、見どころが尽きることはありません。展示期間の詳細は公式サイトで事前に確認して、お目当てを見逃さないようにしてください。

最後にひと言。本展は大混雑となること必至です。金土曜におこなわれる夜間開館(夜8時まで開館、入場は夜7時半まで)を利用し、週末は避ける、事前にプレイガイドなどでチケットを購入して発券場での行列をスルーするなど、作戦を練ってお出かけください。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
『京都国立博物館 開館120周年記念 特別展覧会「国宝」』
期間:2017年10月3日(火)〜11月26日(日)※1期=10/3〜15、2期=10/17〜29、3期=10/31〜11/12、4期=11/14〜26 ※一部の作品は上記日程以外に展示替の場合もある ※月曜休(10/9開館、10/10休館)
時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)※入館は閉館30分前まで
会場:京都国立博物館(京都市東山区茶屋町527)
料金:一般1500円、大学生1300円、高校生900円
電話:075-525-2473(テレホンサービス)
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