舞台俳優・森田剛、名演出家と初タッグ

森田は、この舞台でも国家や民族の枠を超えた、「人間とはこういうものだ」という本質に肉迫した人物像を見せてくれることだろう
舞台俳優としても評価の高いV6・森田剛の主演舞台『すべての四月のために』が、12月8日~13日に「ロームシアター京都」(京都市左京区)で上演される。
ドス黒い野心を抱えた極悪人からピュアな自閉症の少年まで、難易度の高い役をナチュラルに演じられる舞台俳優として貴重な存在の森田。故・蜷川幸雄さんや「劇団☆新感線」のいのうえひでのりなど、名だたる演出家たちがその演技力をこぞって絶賛し、森田を指名する演劇人も多い。今回はその1人、作・演出家の鄭義信(チョン・ウィシン)と初タッグを果たす。
映画『月はどっちに出ている』(1993年)『愛を乞うひと』(1998年)『血と骨』(2004年)をはじめとする名作映画の脚本を手がける鄭。もともと舞台出身で、主に在日韓国人の視点に立った、日韓の歴史をめぐる人間ドラマを数多く発表している。差別や戦争などの重いテーマを盛り込みながらも、人間の善意ややさしさを生き生きとした会話で浮かび上がらせる作風が魅力で、森田も「以前からご一緒したかった」という。
本作は第二次世界大戦の時代を舞台に、理髪店を営む朝鮮人夫婦や四姉妹とその周囲の人たちが、困窮や憎悪と向き合いながらも強く愛しく生きていく姿を描く。森田が演じるのは、次女の夫・萬石(マンソク)。次女との結婚が決まりながらも、実は長女に対して秘めた思いを抱いているという、大胆にして繊細な演技が求められる役だ。共演には、次女役で臼田あさ美、長女役で西田尚美、母役で日本演劇界を代表するベテラン女優・麻実れいらが出演。チケットは9500円で、9月2日に各プレイガイドで発売される。
文/吉永美和子
舞台『すべての四月のために』
日程:2017年12月8日(金)〜13日(水)
会場:ロームシアター京都 サウスホール(京都市左京区岡崎最勝寺町13)
料金:9500円
電話:0570-200-888(キョードーインフォメーション)
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