大阪で、150年前の日本文化をリアル体感

手前:養老文振袖 江戸時代後期 奥:金銅五具足(花瓶1口欠) 貞易 江戸時代後期、銅鴨香炉 清時代 ミュンヘン五大陸博物館蔵 ©Museum Fünf Kantinente, Munich(MFK)
江戸時代後期に来日したドイツ人医師、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)。彼が収集した日本の文化や自然に関する膨大な資料を見せる展覧会『よみがえれ! シーボルトの日本博物館』が、「国立民族学博物館」(大阪府吹田市)で10月10日までおこなわれています。
シーボルトは日本に最新の西洋医学を伝えると同時に、日本に関する膨大な資料を収集し、それらの展示をオランダとドイツでおこないました。また、「日本博物館」の設立も構想していました。そのコレクションのうち、2度目の来日時(1859〜1862年)に収集した資料を所蔵する「ミュンヘン五大陸博物館」と、シーボルトの末裔であるブランデンシュタイン=ツェッペリン家から、貴重な資料約300点が里帰り。

展示品は、絵画、書籍、地図、仏像、陶磁器、漆器、木工品、金工品、衣服、布製品、医薬など、多岐にわたります。上流階級が用いていた高級品がある一方、庶民の日用道具も並んでおり、彼が日本文化全体に深い関心を寄せていた様子が伝わります。また、シーボルトが亡くなる直前にミュンヘンで行った最後の日本展示を、息子のアレクサンダーが残した目録を元に復元する試みも行われており、学術的にも興味深いものとなっています。

本展の企画立案者の一人、日高薫氏(国立歴史民俗博物館教授)は、「シーボルトが帰国後に何度も日本展示をおこない、日本博物館の開設を構想していたこと。今まであまり注目されてこなかったこの部分に光を当てたのが、本展の大きなポイントです」と話す。また「当時のヨーロッパは近代的な博物館展示や学問としての民族学がようやく始まろうとしていた段階ですが、シーボルトの発想は現在の研究者に極めて近く、その先見性に驚かされました」とも。江戸時代の日本文化を体感するだけでなく、博物館や民族学の先駆的活動として本展を見れば、また新たな感動が得られるかもしれません。料金は一般830円(本館展示も観覧可)。
取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)
『開館40周年記念特別展 よみがえれ! シーボルトの日本博物館』
期間:2017年8月10日(木)〜10月10日(火)※水曜休 ※会期中、資料保護のため一部展示替えあり
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで
会場:国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
料金:一般830円、大高生450円、中学生以下無料、満65歳以上560円 ※本館展示も観覧可
電話:06-6876-2151(代表)
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