西国三十三所の寺で、春の特別公開
2017.4.11 17:00

西国三十三所の紀三井寺(和歌山県和歌山市)
(写真4枚)
33の寺院からなる日本最古の巡礼道・西国三十三所。2018年に草創1300年を迎えることを記念して、『西国三十三所草創1300年記念事業』と題し、2020年まで歴史的な行事を展開中。そのうち21の寺院が、春の特別公開を開催中(一部終了している寺院あり)。ふだんは公開されない本尊や秘仏などのお宝を拝観できたり、期間限定の特別な御朱印をいただけたりする絶好の機会だ。
今回の特別拝観では、京都「醍醐寺」の快慶作・弥勒坐像(~4月20日)、和歌山「金剛宝寺(紀三井寺)」の本堂内陣(~5月7日)、大阪「葛井寺」の未公開寺宝(~5月7日)、奈良「南法華寺」の秘仏大日如来像(~6月18日)などで、普段お目にかかれない数々の秘宝がご開帳。満開の桜と楽しむならいずれの寺院も比較的に空いている朝一番のお参りを。

西国三十三所は、大和国(現在の奈良)長谷寺を開いた徳道上人が、仮死状態で冥土(めいど)をさまよっていた際に、閻魔大王(えんまだいおう)に出会い、「生前の悪行ゆえ地獄に送られる者が多いから、みなが観音霊場を参拝することでそのご慈悲が得られるよう説きなさい」とのお告げを受けたことに由来。その後現世に戻った徳道上人が、閻魔大王より授かった起請文と宝印を配った33の寺院が現在の西国三十三所となったとされている。また、三十三という数字には「観音菩薩が33の姿に身を変えて人々の悩みや苦しみから救う」という意味があり、各寺院を札所とし、順番に参拝する巡礼文化が誕生した。和歌山県、大阪府、京都府、奈良県、滋賀県、兵庫県、岐阜県の2府5県、総距離は約1000キロにも及ぶ巡礼路には、昨今海外からも多くの人々が祈りを届けに足を運ぶ。
文/浅野はるか
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