小吹隆文撰・週末アート、9/21〜

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、近代女性画家の回顧展と、滋賀で開催の現代アートを紹介。深まる秋のお出かけにどうぞ。
美術界の扉を開いた女性画家の先駆者
『メアリー・カサット展』
@京都国立近代美術館(京都市東山区)
19世紀後半のパリで活躍したアメリカ出身の女性画家、メアリー・カサット(1846〜1926)。彼女の画業を紹介する、日本では35年ぶりの回顧展が行われます。

21歳のときに父の反対を押し切ってパリに渡った彼女は、エドガー・ドガとの運命的な出会いから印象派展に参加、明るい色彩と軽やかな筆致で家庭の情景を描きました。特に母子像は多くの共感を呼び、「母子像の画家」として彼女の名を不朽のものにしました。本展で は、カサットの初期から晩年に至る油彩画、パステル画、版画の代表作を展覧。また、ドガやベルト・モリゾなど交流のあった画家の作品、彼女が愛した日本の浮世絵版画などを合わせた約110点が見られます。
2016年9月27日(火)〜12月4日(日)
展覧会情報はこちら
歴史ある町並みと現代アートの競演
『BIWAKOビエンナーレ2016 見果てぬ夢』
@近江八幡旧市街10会場(滋賀県近江八幡市)
近世に豊臣秀次が築いた城下町を基礎とし、近江商人の一大拠点として隆盛した近江八幡旧市街。江戸期の建物が軒を連ねるその町並みは、国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されています。しかし近年は空き家が目立つようになり、その保存と活用が大きな問題となってきました。

2001年から始まった「BIWAKOビエンナーレ」では、長年放置された町家や工場などの古建築を活用し、国内外から集結したアーティストたちが空間を生かした作品展示を繰り広げます。今年の参加アーティストは約60組。風情のある通りや建物を散策しながら現代アート作品を楽しむ絶好の機会です。また、会期中にイベント、ワークショップ、コンサートも多数開催予定です。
2016年9月17日(土)〜11月6日(日)
展覧会情報はこちら
アートと遊びの境界を超えた作者たち
『楽園の夢』
@ボーダレスアートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市)
上記で紹介した『BIWAKOビエンナーレ』の会場、近江八幡旧市街で、もうひとつ要注目の展覧会が行われています。それが『楽園の夢』です。

本展では、自らの夢見るようなイメージを具現化している6名の作者を紹介しています。たとえばデイヴィッド・デュバル=スミスは、遊びともアートともつかない自由な境地で制作を続けています。松浦萌は、色とりどりのビニールテープをプレゼントされたことをきっかけに、小さなオブジェを大量に作るようになりました。また、山﨑利幸は、鉛筆の芯を削った小さな彫刻作品を、勤務後の夜や休日に作り続けています。他には、東健次、桜水幸一、岩瀬俊一が出展。創造と生きることの原点について考えさせれらる展覧会です。
2016年9月3日(土)〜11月27日(日)
展覧会情報はこちら
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
【大阪・関西万博2025】最新情報まとめ!地元編集部が取材してわかった、人気グルメから穴場スポットまで
NEW 3時間前 -
現地取材で発見!知らなかった宇治の魅力【2025年最新版】
NEW 4時間前 -
「何度も見たくなる」ファン続出、宇治×京アニ秘話[PR]
NEW 2025.9.12 17:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
NEW 2025.9.12 14:00 -
万博・ポーランド館で人気、現地さながらの体験とは?[PR]
NEW 2025.9.12 13:30 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
NEW 2025.9.12 10:00 -
万博で日本一やかましい祭!? 三重の魅力を1日で堪能[PR]
NEW 2025.9.12 07:00 -
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.9.11 12:00 -
カード利用で街がもっと便利に。アメックスで繋がる輪[PR]
2025.9.8 07:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.9.1 10:00 -
グラングリーン大阪で食べる、買う、楽しむ! 14選[PR]
2025.8.29 10:00 -
神戸アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.29 10:00 -
関西人なら違和感に気付く!? 8コの異変探し[PR]
2025.8.28 08:00 -
新しいものを全力で楽しむ!OMOろい旅 in 熊本[PR]
2025.8.25 09:00 -
大阪ビアガーデン2025年版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.22 12:00 -
25周年「アンパンマン列車」で、ゆかりの高知へ[PR]
2025.8.6 11:50 -
京都・滋賀のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.7.23 13:00 -
奈良のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.7.15 15:00 -
関西のおすすめ音楽フェス・2025年最新版
2025.7.9 09:00 -
【カメリア・マキの魔女占い】2025年下半期の運勢は?
2025.7.1 00:00 -
神戸のおすすめビアガーデン2025年最新版
2025.6.30 11:00