小吹隆文撰・週末おでかけアート、1/20〜

《K 05》2014年 ©Thomas Neumann & Gallery Nomart
「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、現代アートの写真、彫刻、デザイン、ファッション!
ドイツ人作家が到達した幽玄の美
『トーマス・ノイマン展』@ギャラリーノマル
2013年に日本人作家と2人展を開催し、好評を博したドイツ人作家トーマス・ノイマンが、昨年10月に出版したばかりの写真集『The Japanese Series』より抜粋した大型作品を引っ提げて、日本初個展を開催中。
新緑の日本の山間を見た時の驚きから端を発する作品は、風景ではなく森や石を撮影したもの。しかし作品を見た人は、より大きな自然の姿を感じるでしょう。それは山水画や盆栽などに見られる東洋的美意識に通じるものであり、日本人なら小難しく考えずとも共感できる世界観です。展覧会では会場の床に白砂利が敷き詰められ、観客の足音も作品の一部と化すインスタレーションを展開。通常の写真展とは異なるアート体験が味わえます。
1月16日(土)〜2月13日(土)
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寡黙な作品を通して空間を感じる
『竹岡雄二 台座から空間へ』@国立国際美術館
京都市立芸術大学を卒業した後ドイツに渡り、1980年代初頭から本格的な活動を始めた竹岡雄二(1946〜)が、日本初の回顧展を開催中。

竹岡作品の特徴は、本来は彫刻を乗せる役割である「台座」を作品の地位に押し上げたことです。作品の多くは四角い箱状の形をしていますが、その上に彫刻は置かれておらず、それ自体が自立した一個の作品となっています。鑑賞者は最初に不在感を抱きつつ、やがて周囲の展示空間や、ものを見ることについて思考を始めるのです。つまり、竹岡の作品は個性を刻むのではなく、作品を提示すること自体がテーマなのです。各時代の活動から厳選した作品約20点が見られる本展で、彼のメッセージを受け取ってください。
※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて
※「エッケ・ホモ 現代の人間像を見よ」展も同時開催中
1月16日(土)〜3月21日(祝・月)
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「もったいない」とハイファッション
『BORO(ぼろ)の美学ー野良着と現代ファッション』@神戸ファッション美術館
端切れを繋ぐ、重ねるなどして作った衣装、襤褸(ぼろ)。それらは世界中にあり、世代を超えて大切に扱われてきました。また、近年はBORO(ぼろ)として世界で通用する言葉となり、ファッション界からも注目されています。

本展では、青森の民俗学者・田中忠三郎が収集した古民具約2万点の中から、国の重要有形民俗文化財である東北の野良着、タツケ、マエタレ、長着などに見られる襤褸、こぎん刺し、菱刺しなど約100点を展示。同時に、BOROの美意識を確固たる姿勢で読み解くデザイナー、keisuke kanda(神田恵介)、matohu(堀畑裕之、関口真希子)、writtenafterwords(山縣良和)と、廃棄資材を日用品へと昇華させるMODECOの作品も紹介しています。
1月23日(土)〜4月10日(日)
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「血肉化」を軸に巨匠の作品を読み解く
『浅葉克己個展「アサバの血肉化」』@京都dddギャラリー
美術史家の山下裕二が、日本美術の伝統と現代デザインを繋ぐキーワードとして提唱している概念「血肉化」。日本を代表するグラフィック・デザイナーの一人、浅葉克己が、その本質を自作で体現します。

「血肉化」とは、単にモチーフを引用したり古典に形だけ寄り添うのではなく、日本美術の豊饒な養分をガシガシ噛み砕き、しっかり吸収して血となり肉となるように生かすこと。浅葉の仕事の中でも大きな位置を占めるポスターの代表作約100点を中心とする本展では、写植や版下のコラージュ作品、製本された膨大な量の日記、中島敦の短編小説『文字禍』の活字組版といったレアな作品も並んでおり、 彼の「血肉化」の変遷を知る絶好の機会と言えます。
1月15日(金)〜3月19日(土)
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