玉三郎演出で変化、鼓童の新しい挑戦

「永遠〜直線」より/Takashi Okamoto
日本を含め世界47カ国で活動している太鼓芸能集団・鼓童が、歌舞伎役者の坂東玉三郎を芸術監督に迎えて今年で3年目。最新公演の『永遠』では、すべて新曲での舞台に初めてチャレンジしている。メンバーの船橋裕一郎副代表と坂本雅幸から、玉三郎効果による変化を聞いた。
佐渡を拠点に和太鼓を中心とした活動をおこなう彼ら。太く激しい低音の魅力に加え、唄や踊りなど日本の伝統芸能や民俗芸能を取り入れた創作&演奏活動を続け、来年で35周年を迎える。ところが20年を過ぎたあたりから表現上の課題に直面していたとか。「それまでに型ができていて、メンバーは少しずつ代わっても、型は変えずに活動を続けていました。ある一定のお客さんからは評価を受けていたのですが、自分たちの力だけでは次の段階になかなか行きづらかった」(船橋)
そこで15年ほど前に玉三郎に声をかけ、少しずつ段階をふんで2012年に芸術監督として迎え入れた。それまでのように一定のリズムの中、強弱で表情をつけていた太鼓の存在が、玉三郎演出によって細かな音符や間の使い方を工夫することで楽曲にうねりを加えている印象をうける。「そう言っていただけると、まさにそのとおりだなと。例えば前回の『神秘』は、単なる繰り返しになりたくないってことで、自分たちもわけのわからない拍子ばっかり。でも実際やってみると拍子を気にしなくても流れとしていろんな展開があって、より膨らみのある空間へ持っていってくださるんです」(船橋)

また今回の楽曲では、多彩な世界の楽器を使っているのも特徴。太鼓と心地よく交わっていて、音が豊かになってきたように感じる。「それはすごく玉三郎さんが気を遣われる部分です。銅鑼ひとつとっても、これ違う、これ全然混じってないねとか」(船橋)「太鼓にうまく溶けこんでいくのを見ているとこれはかなりすごい進歩。ティンパニもあくまで前に出るんじゃなく太鼓の余韻として使いたいとか」(坂本)
演技指導はあるのだろうかという問いには、「言われてみれば、演技の練習をした覚えはないですね(笑)。でも楽曲の転換がこれまでと違って、ある種、視線を散らすような。お客さんには見えてないけど、気がついたら次の展開がはじまってたりとか。そんな場面の移り方などはすごい勉強になる部分があります」(坂本)
「自由にすることで太鼓の魅力を広げることが、太鼓に対する尊敬でもある」という彼ら。迫力ある太鼓の魅力しか知らない人はぜひ彼らの舞台に足を運んでほしい。今まさに成長を続けている鼓童の音を感じられるはずだ。
『鼓童 ワン・アース・ツアー2015 ~永遠』
日程:2015年7月11日(土)・12日(日)/11日=17:30〜、12日=13:00〜
会場:京都芸術劇場 春秋座(京都市左京区北白川瓜生山2-116)
料金:6,000円、60歳以上5,500円、学生&25歳以下3,000円
電話:075-791-8240(京都芸術劇場チケットセンター)
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