orange pekoeの2人からの贈り物

「中堅っぽいムードがちょっとイヤだった」(ナガシマ)
──そして、11月にはナガシマさんのソロ・プロジェクト、Niaもいよいよ始動しました。
ナガシマ「やっぱりorange pekoeというのは、藤本一馬とナガシマトモコの集合だから、それでできないことをNiaでやろうと思って」
──藤本さんがorange pekoeでできないことを感じる部分って、コンポーザーとしての役割として、なんとなく分かるんですが、それはナガシマさんも同じように?
ナガシマ「もちろん私もサウンド面は一緒に考えてるんですけど、そうは言っても曲を作るのは一馬くんなんです。だから、一馬くんという存在が曲のなかに圧倒的にあるんですよ。そのなかで、私がすごく好きなブラック・ミュージックのグルーヴ感とかはorange pekoeではやるもんじゃないと、ハッキリ思ったんです」
──もうちょっと具体的に言うと?
ナガシマ「一馬くんの曲の良さって、ラウンド感ではなくて、旋律なんですよね。『たゆたう』ような美しい旋律。南米音楽のリズム感だったり、スウィングだったり、そのなかで一馬くんのたゆたうメロディがあるというのが、orange pekoeの特長なんですね。そのとき、ラウンド感あるグルーヴものというか、私の大好きなブラック・ミュージックに根ざした音楽をやるんだったら、ソロだなって。やるというか、やっておかねばと思って」
──自分のルーツを掘り起こす側面もありつつ、ホセ・ジェイムズやロバート・グラスパーらを代表とする、今の新しいジャズの潮流にもフィットするというか。
ナガシマ「そうなんですね。確かにそれは自然なカタチで、自分のやりたいことをやるなら、大学時代から友だちだった黒ちゃん(黒田卓也=日本人として初めて、米国ブルーノートと契約を果たした気鋭のトランペッター)と一緒にやりたいなって。彼みたいな、ジャズやヒップホップ、ネオソウルを好きな人が作曲して、なおかつ、彼はトランペッターなので、メロディもホーンライクなラウンド感が出るから、これはきっと面白いだろうなって。でも、これ、録ったの2年前なんですよ」
──あ、思ってた以上に前なんですね。
ナガシマ「そうなんですよ。黒ちゃんもまだブルーノートのブの字もなくて、ホセもブルーノートと契約する前だし、参加してくれた(アレサ・フランクリンのピアニストとしても活躍する)クリス・バウワーズとかもソロを出す前で」
──それはどうやってアプローチしていったんですか?
ナガシマ「黒ちゃんは、orange pekoeでも吹いてもらっていたので、来日するから会いに行って頼んでみようって。『ちょっと作ってくれへん?』って頼んだら、『ええで』って(笑)。そしたら、デモ音源を送ってくれたんですけど、やっぱり『そうそうそう!こういう感じがやりたかってん』となって。めっちゃええやんって言ったら、彼も時間があったみたいで、週に1曲のペースで送ってきて(笑)。すぐに10曲くらい溜まったので、これアルバムできるで、って言ったら、オレの家の近くにいいスタジオができたし、友だちがええ感じで演奏してくれるでって。ほな、行くわって。で、ブルックリンにひとり旅立つという(笑)」
──最初は身近な人とやっていたのが、2年の時を経て、このアルバムに参加しているミュージシャンが、ホセ・ジェイムズやアレサ・フランクリンのピアニストとして活躍していたり、エスペランサ・スポルディングのツアーメンバーとなったり、出来上がってみればワールドクラスのプロジェクトになったと。
ナガシマ「ホント、そうです(笑)。当時からみんなすごい素晴らしかったんで、そら、そうやろうなって思います。ニューヨーク自体、ミュージシャンがめちゃくちゃいるので、こういうジャンルが好きな子は好きな子で集まるというか、黒ちゃんとかホセの周りにも同世代でそういう子たちがちょうどいて、腕もどんどんつけてというところだったのかなと」
──今回のNiaのアルバムは、それこそテクノも聴いてきたし、ヒップホップも当然聴いてるし、それがシーンのなかでどう成熟してきたかも知ってる、そういった世代が鳴らしている音だなってのが、最初の印象でした。
ナガシマ「今の時代って、リスナーもそうですよね。どこに新鮮味を感じるか、なにが面白いんか、どう共鳴するか、だと思うんです。そこが今の時代の音楽の面白いところで。LAでフライング・ロータス(ビートミュージックの潮流を生み出した最重要人物で、叔父はジョン・コルトレーン!)とかが出てきて・・・私が行ったときはまだ今よりマニアックなアーティストやったんですけど、彼もコルトレーンの甥っ子で、そういうジャズのDNAを持ちつつ、当然、60年代、70年代のジャズやソウルの煌めきもリスペクトしてる。それでいて、エレクトロもヒップホップも大好き。そういうのを全部聴いて育ったなかで、音楽で何を表現するのか? みんな、そういう地点で音楽を作っているんです。ホセもそうだし、エスペランサもそう。彼らが次は何を出してくるのか、めちゃくちゃ面白い。私もそういう流れのなかで、そうありたいと思っていて」

──それこそ、昔のソウルや歌謡曲のカバーだけでも、ボーカリストとしてのナガシマさんのソロとしては全然成立すると思うんですが、でもそうじゃなく、自分のルーツプラス、結果として今一番新しいシーンにフィットさせてくることは正直驚きでした。
ナガシマ「うれしい。でも実際、orange pekoeで10何年やっていて、中堅っぽいムードができてきて、なんかね、ちょっとイヤだったんです(笑)。このまま落ち着いた活動になるのは、まだ早くない?って思って。もうちょっと攻めたいんですよ。やっぱりミュージシャンとして、どうしてもいい作品を残したいんですね。なんのモチベーションか分かんないんですけど(笑)、いいモノを残したいんです、どうしても! だから、やらざるを得ないという」
──なるほど。で、2人のソロがすごく良かった分、orange pekoeにもすごく期待がかかるわけであって。
ナガシマ「そうですね。自分たちもすごい楽しみがあって。まだフワフワしてますけど」
orange pekoe(オレンジ・ペコー)
1998年、ナガシマトモコと藤本一馬の2人でorange pekoeを結成。2002年にメジャーデビュー。翌2003年に発表したメジャー第一弾アルバム『Organic Plastic Music』は30万枚以上のセールスを記録。ジャズやブラジル音楽など独自に昇華したサウンドで一躍全国区となる。以降、オリジナルアルバム7枚をリリース。日本だけでなく、アジアやニュヨークでのCDリリースやライブ公演なども行っており、多くのミュージシャンから高い評価を得ている。
orange pekoe(オレンジ・ペコー)
orange pekoe
『ORANGE PEKOE WITH THE BIG BAND PARTY NIGHT!!!』
2014年12月24日発売
KICJ-678/3,240円
キングレコード
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