過去のコロナ対応の遅さを指摘も「今回は希望のある我慢」

2021.5.29 13:15

「大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」で発言する朝野和典教授(5月28日・大阪府庁)

(写真3枚)

緊急事態宣言が6月20日まで再延長された大阪府では、5月28日に対策本部会議を開いて対応を決定。変異株への脅威や対応策について、大阪大学の朝野和典教授が「今回はワクチンがあり、希望のある我慢。勇気を持って進んでいただければ」とアドバイスした。

対応を決めた会議の最後に、感染症を専門にする朝野教授に質問した吉村洋文知事。「英国株の存在がわかっていた3月に宣言が解除されたときの影響をふまえて、その1.5倍の感染拡大力があるともいわれるインド株の脅威や対応などご意見をお願いしたい」と訊ねた。

朝野教授は、「インド株は、英国株と同じことが起こる想定で対策を立てるべき。これまで、国に対応を要請してから承認されるまでの1週間の間に感染が拡大してきた。急激に増加する陽性者に対していかに迅速に対策をとるか、早い段階で対応できるように国とも協議していただきたい」と第4波での対応の遅さを指摘。

一方で、「もちろん、変異株が再び流行を起こすかもしれない。しかし今回は、ワクチンというゲームチェンジャーがある。どれだけ人流を抑え、その間にワクチンをどれだか広げられるかの勝負。7月いっぱいで高齢者の方に接種してもらえば、重症者の発生が少なくなることが期待でき、まだ希望のある我慢がやってくる。勇気を持って進んでいただければ」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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