関西の音楽を支えた、難波ロケッツの歩み

かさご氏(2002〜12年のロケッツ店長、現SOCORE FACTORY店長)
1991年のオープンから25年にわたって歴史を重ね、2016年の2月いっぱいをもって閉店する大阪の難波エリアを代表するライブハウス/クラブ「難波ロケッツ」。90年代にはオープン当初からロケッツを拠点としていたラルク・アン・シエルを筆頭とするヴィジュアル系バンドのライブと、深夜はクラブとして田中フミヤが主宰する「CHAOS WEST」を中心に石野卓球やジェフ・ミルズらもプレイしたミニマル・テクノの牙城として知られ、2000年以降は“関西ゼロ世代”の隆盛に連なるMIDI_saiなど、より多彩で個性的な音を育んできた。閉店の知らせにあらゆるジャンルの音楽ファンから惜しむ声が絶えない「難波ロケッツ」の近年の歩みやハコとしての特徴を、2002年から10年間店長を務めて現在は大阪・堀江のライブハウス「SOCORE FACTORY」の店長として活躍するかさごさんと、その後のブッキング・マネージャーを引き継いできたカヤマさんに改めて振り返ってもらった。
取材・文/吉本秀純
「昔のロケッツのイメージを覆したかった」(かさごさん)
──難波ロケッツといえば、やはり一般的にはラルク・アン・シエルなどのヴィジュアル系の聖地というイメージが最も強いですが。クラブ・サイドでは田中フミヤや石野卓球など、もっといろんな顔を持っていたハコですよね。
そうですね。僕も卓球さんのイメージが一番強かったです。僕は最初にライブのブッキング担当として入ったんですけど、その時期でもチャットモンチ—のメジャー・デビュー前の大阪初ライブはロケッツでやったんですよ。ほかでは、凛として時雨、the telephones、キュウソネコカミといったあたりは、お客さんが全然入らへん時期から僕らがやってきたラインでしたね。動員が増えて有名になってきたら、イベンターが拾ってキタのライブハウスに移動していくという感じでしたけど(笑)。もっと最近では、BABYMETALの大阪初ライブもロケッツでやりましたよ。あと、働く人に強烈な方が多かったのも特徴的だったと思います。ディジュリドゥ奏者のGOMAさんも田中フミヤさんの頃に働いていたし、もっと遡ればエクスタシー・ボーイズ(※クラブ・シーンの黎明期に国内外で活躍した大阪発のユニット)のギターの内野さんとか。
──かさごさんが店長だった時代に、特に象徴的だったイベントなどを挙げるとすれば何になりますか?
心斎橋で毎年秋に『ミナミ・ホイール』というイベントがありますけど、ブッキングを進めていてもバンドから“ミナミ・ホイールにエントリーしているので今は(出演できるか)答えが出せないです”ということが続いた時期に、『F.M.W.(Fucxx’n Minami Wheel)の略)』というイベントを、僕と今はキュウソネコカミのマネージャーをやっているはいからさんで立ち上げたことがあって(2009〜11年に開催)。最初の年はコケたんですけど(笑)、2年目には爆発して3日間オールナイトでやって1500人くらい入りましたね(※通常のキャパシティは約300人)。そこから若いバンドの流れがくるようになって、そのシーンを一時期は支えたかなと。
──ロケッツは地理的にも難波にあるので、キタとも心斎橋とも違う独自の立ち位置になっていましたよね。
そうですね。今では周りにZepp Nambaやなんばパークス、ヤマダ電機などがありますけど、90年代や僕がやり始めた頃はまだなかったし。わざわざ足を運んでもらう理由を作るために、なんか派手なことをやろうというのは心がけてましたね。昔ベイサイドジェニーでやってたT.J.MAXXやSECOND TO TONEといった辺りのバンドに出てもらって企画してもらったりしました。僕は昔のロケッツが持っているヴィジュアル系のイメージを払拭するために、それだけではない自分なりのロケッツの感じを出したかったですね。全盛期と同じようにも出来ないと思っていたし、新しいモノを作っていくみたいな感じでやっていました。
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