下足棚

まず楽屋の入口にあるのが、この下足箱（下駄箱）です。ここで、普段の靴から仕事用の草履に履き替えます。入門が早い人順に、上から場所が決まっています

履物の色や形に決まりはあるんですか？

特にないですね。ほかの人と間違えないように、出来るだけかぶらないようにしているくらいです。あとは決まりというわけではありませんが、人形遣いの足遣いは、足で舞台を激しく踏んで音を出すことが多いので、大きい音が出やすい薄い草履を履いているそうですよ

着到板

これが、着到板（ちゃくとうばん）です。毎日楽屋入りするときと帰るときに、自分の木札をひっくり返しています

これも入門順になってるんですか？

これは舞台の出番の順になっているんです。なので、公演のたびに並びは変わるんですよ

神棚

こちらは神棚です。その下にあるのが、毎日若手の人形遣いが公演の無事を祈願する『幕開き三番叟（まくあきさんばそう）』を舞うための人形です

『幕開き三番叟』はいつおこなわれるんですか？

幕開き三番叟の様子　夏休み文楽特別公演『金太郎の大ぐも退治』より（写真／成田直茂）

朝一番の公演（第１部）の開演１５分前に、５分ほどおこなわれます。人形は基本、主遣い（おもづかい）・左遣い・足遣いの３人で遣うんですが、この『幕開き三番叟』だけは主遣い・足遣いの２人で遣います

新人さんにとっては大変ですね

そうですね。人形遣いの若手にとって登竜門のひとつだと聞いています

楽屋口の暖簾＆名札

楽屋に向かう廊下には、公演を待つ人形がずらり

こちらが楽屋の入口にかかっている暖簾です。部屋頭の暖簾がかかってます

竹本津齣太夫さんの暖簾

楽屋によって暖簾のデザインが違いますね

そうですね。自前で作ったり、贔屓のお客さまから贈られることもあります

入口に着到板と同じように、名前の札がありますね

これが楽屋のメンバー、ということですね