ブギウギ第1話に戻った楽屋&歌唱シーン、実は「再撮影」

2024.2.9 08:15

舞台にて、『東京ブギウギ』を唄うスズ子(趣里)(C)NHK

(写真4枚)

「ほな愛子、お母ちゃん、お客さんとズキズキワクワクしてくるわ」──。『福来スズ子ワンマンショー』初日の楽屋風景。2月9日に放送された『ブギウギ』(NHK朝ドラ)の第91話では、とうとう1話冒頭のシーンに戻ってきた。

朝ドラではおなじみ、「冒頭で示したクライマックスを後半で再演する」というイベント。本作がクライマックスに持ってきたのは、スズ子を、そして戦後の日本人を励まし再起させた『東京ブギウギ』初披露の一幕だった。一見、第1話と同じに思える楽屋のシーンと、続くステージのシーン、実は第91話のために再撮影したのだそうだ。

福来スズ子(趣里)、羽鳥善一(草彅剛)、茨田りつ子(菊地凛子)。日帝劇場の楽屋に集う3人が話すのは、1話とまったく同じ台詞ではあるのだが、これまでこのドラマを観てきた視聴者にとって第91話の台詞は、また違う響きをもって聞こえる。キャストも撮影スタッフも、万感胸に迫りつつ臨んだという撮影の裏側を、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

■「3人の『今の気持ちを』を撮りたかった」

福岡さんは、再撮影は決して「マスト」ではないとしたうえでこう語る。「1話と同じ映像を使うほうが効率的ではあるのでしょうけれど、やはりここまで追ってきたスズ子、羽鳥、りつ子、3人の『今の気持ち』を撮りたいという狙いで、再撮影しました。同じ台詞ではあるものの、あの戦争を乗り越えて、今まで積み重ねてきたものが3人の表情に出ていて、1話とはまた違って見えて面白いと思います。演者のみなさんもスタッフも『ついにここまで来たか』という気持ちで撮影しました」。

稽古場を訪ねて来たりつ子(菊池凛子)と話すスズ子(趣里)(C)NHK

また、茨田りつ子を演じる菊地凛子と羽鳥善一を演じる草彅剛の演技について、福岡さんは「稽古中も愛子の子守りをしてくれたりと、スズ子との関係性を築いてきたりつ子を演じる菊地さんの表情が、91話ではとても柔らかくなっていたのが心に残りました。羽鳥を演じる草彅さんはステージで指揮棒を振るシーンで、『1話と同じにやらなくていいですよね』とおっしゃって、より楽しく演じておられた印象です。音楽を愛してやまない羽鳥が戦争を乗り越え、底抜けに明るく進んでいく姿が、とても強く出ていたと思います」と振りかえった。

『東京ブギウギ』の指揮を執る羽鳥(草彅剛)(C)NHK

■ 美術チーム、撮影部もノリノリ!

福岡さんは、スズ子が『東京ブギウギ』を歌うステージの再撮影の様子についても触れ、「1話の『東京ブギウギ』は1番まででしたが、91話では間奏も入って2番までフルコーラスの歌唱。美術チームも力が入って、2番で降りてくる『東京ブギウギ』の電飾看板を新たに作ったりして。撮影部もノリノリで撮っていました。フル尺で約3分と長いのですが、力強いカメラワークで飽きさせないシーン作りを試みました。一連の流れで撮影しているので、躍動的なステージになっているのではないかと思います」と語った。

新たに作ったという『東京ブギウギ』の電飾看板 (C)NHK

また、趣里のパフォーマンスについても、「ここまで数々のステージを重ねてきた趣里さんはとても堂々としていて、91話の『東京ブギウギ』では、より弾けていたという印象。趣里さんがドラマとともに大きくなっていったのを感じる、見事なパフォーマンスでした」と絶賛した。

「東京ブギウギ」を皮切りに、『ブギウギ』の世界で生きる人たちにとっての、新たな時代が幕を開けた。

ちなみに、1月28日に関西ローカルで放送され、ドラマ内の歌唱ダンスステージを再編集した映像を翼和希、伊原六花、高瀬耕造アナウンサーとともに振りかえった『ブギウギ オン ステージ』は、2月11日・夕方6時32分までNHKプラスで配信中。

取材・文/佐野華英

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