今やすっかり日本の夏の風物詩となっている、怪談家の元祖・稲川淳二の怪談ライブ『稲川淳二の怪談ナイト』。２０２３年も７～１１月に全国４９カ所、関西だけでも５カ所を回るツアーを開催する稲川が、６月８日に大阪市内で会見をおこない、意気込みを語った。

■「怪談はみなさんの故郷であり、お祭り」

３１年目となる今回のツアー中には、通算１０００回目の公演を達成する予定の稲川。「まさかこんなに続くとは思ってなかったし、１０００回はファンのみなさんが私にくれたプレゼント。怪談はみなさんの心の実家というか故郷、お祭りだと思ってやっています」と感慨深げだ。

今年は６～７話ほどの新作を披露。本気で怖いものからほほえましいものまで、いろいろ取りそろえているが、なかでも最近社会を騒がせた「ある事件」絡みの建物の話が、今回の目玉になるそう。

「テレビで（建物を）見た瞬間、『あ、あそこだよ！ やっぱりなあ』と。私が高校生のときから接点があり、その２０何年後に撮影があったときには、霊的な体験をしています･･･。だから、絶対になにかあるだろうと思ってました」という因縁を明かした稲川。

さらに「これは、１つの話に何本かの怪談が入ったような、今までやったことのない形で語ります。その事件の加害者は、本当に『加害者』かどうかわからなくなるというか、『もしかしたらあいつも･･･』という気持ちになるかもしれないです」と、期待をあおった。

大阪公演は８月２４日～２７日に「森ノ宮ピロティホール」（大阪市中央区）、奈良公演は１０月１４日に「なら１００年会館」（奈良県奈良市）、姫路公演は１０月１５日に「アクリエひめじ」（兵庫県姫路市）、滋賀公演は１０月２２日に「八日市文化芸術会館」（滋賀県東近江市）、神戸公演は１１月１８日に「神戸朝日ホール」（神戸市中央区）にて。チケットは全会場とも前売６６００円、当日７０００円（現在発売中）。

取材・文・写真／吉永美和子