今宵、港町のバーで
『碧Ao』のカクテルを。
アイリッシュ、スコッチ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ。5カ国、7つの自社蒸溜所の「原酒」をブレンドする世界初の試みから誕生した『サントリーワールドウイスキー 碧Ao』。今回の舞台はバーの街、神戸を代表する4軒のオーセンティックバーだ。
アルコールを知り尽くしたプロバーテンダーも「カクテルと非常に相性が良い」と口を揃える。例えば、スコッチのスモーキーフレーバーやジャパニーズの華やかさ。5大ウイスキーの多様なキャラクターを内包する『碧Ao』の実力は、バーの花形であるショートカクテルでも見事に発揮される。どの個性を引き出すか、アプローチはそれぞれ。腰を据えて味わうもよし、バーホッピングで飲み比べも一興だ。
飲み方も多彩なブレンデッド。
世界を繋ぐ雄大で美しい海の碧色から名付けられた『碧Ao』。今回紹介したカクテル以外にも定番のハイボール、水割り、ロックでもブレンデッドウイスキーらしい調和の取れた複雑な味わいを表現。1本で食前・食中・食後まで、さまざまなシーンに寄り添ってくれる。
師から弟子へ、
続く名店の技。
[サヴォイ]創業者で、1970年大阪万博カクテル大会の世界チャンピオンでもある小林省三氏を師に持つマスターの森﨑和哉さんに引き継がれた名店のDNAは、日本最高峰のカクテルコンペの優勝作であるこちらでも。細工の蝶が水面を舞う一杯は、和の素材を重ね、ベースである『碧Ao』が持つ世界観ともリンクさせた多面的な味わい。森﨑さんの軽妙なトークと共に、時間経過で移ろう美酒を味わってほしい。


本店と北野坂店を経て、2007年に花隈にオープン。街中からは少し離れた立地にも関わらず、わざわざ訪れるゲストは後を絶たない。チャージ500円。

「これまでのキャリアをこの一杯に詰め込んだ」と語る森﨑さん。優雅な桜のアロマに始まり、巨峰やユズといったフレッシュな酸味が後に続く。『サントリー ザ・カクテルアワード2024』優勝作品「てふてふ」は1,980円。
ビタースイートな
ペアリング体験。
「神戸のバーの入り口に」と語る店主の赤井献治さん。バーテンダー歴は20年。今年11月に10周年を迎え、初心者に向けたバー文化の発信にも力を入れる同店が提案するのは、『碧Ao』の個性のひとつであるスモーキーさに、茶葉やコーヒーの焙煎のニュアンスを重ねたドライかつビターな一杯だ。味に深みをもたらす専用のガナッシュチョコとのペアリングもユニーク。独自のアプローチで神戸の夜を締めくくってくれる。


創作系から日本ではあまりお目にかかれないスタンダードまで。チョコは23種を揃える。チャージ800円、サ別。

ほうじ茶の茶葉を漬け込んだ『碧Ao』とエスプレッソをシェイク。「碧Ao ほうじ茶エスプレッソマティーニ」1,800円。添えられたほうじ茶フレーバーのチョコは、東京にあるバー専門ショコラトリー[アトリエ アールガッド]から。
口開けにふさわしい
和製モヒート。
来年4月で丸60年を迎える神戸バー界のレジェンド。現在は三代目マスターの村井勇人さんが名門の灯を守る。徹底的に磨き上げられたカウンターにリフレクションするのは、アペロにもぴったりなウイスキーモヒートだ。ミントの代わりに和のハーブである大葉を用い、『碧Ao』が持つジャパニーズウイスキーの繊細さを表現した。12月からは名物の暖炉も稼働。揺れる炎を眺めながら、至福のバータイムに浸ることができる。


冷凍庫で冷やした『碧Ao』を使い、氷不使用のオールドスタイルで仕上げる新定番「YANAGASEハイボール」1,800円も用意。チャージ700円(テーブル800円)。

グラスから立ち上る大葉とレモンのフレッシュな香り。調和の取れたまろやかな味わいで喉を潤してくれる「『碧Ao』の大葉のモヒート」1,900円。不動坂に立つ、ツタに覆われた一軒家。老舗らしい佇まいに背筋が伸びる。
ここでしか出会えない
創意の味。
マスターの信原邦彦さんを筆頭にコンテストにも積極的に参加。神戸のバーへの憧憬を表した空間で、日々、技を磨くバーテンダーのオリジナルカクテルを体験できる。今年の新作は茶の湯から着想を得たという「OTEMAE」。抹茶ときな粉の風味を閉じ込めたアーモンドミルクのコクの後に、『碧Ao』のふくよかな余韻が広がる和洋折衷な意欲作だ。お酒が弱い人も挑戦しやすいローアルコール。食後のデザート感覚で。


同じく『碧Ao』をベースにした『サントリー ザ・カクテルアワード2024』準優勝作品「クラシックローズ」1,800円も。チャージ800円。

カクテルの隠し味に忍ばせた芋焼酎のほっくり感ともリンクする丹波黒豆の蜜煮を添えて。提供までの所作も含め鑑賞したい「OTEMAE」1,500円。信原さんと共にカウンターに立つバーテンドレスの生田理実さん。
取材・文/吉田志帆 写真/田中陽介
※掲載内容は、2025年12月時点のものです。
