エール5週・食卓舞台で上出来コント、「愛の狂騒曲」の意味

2020.5.4 19:00

第23回より、話し合う裕一(窪田正孝)、三郎(唐沢寿明)、光子(薬師丸ひろ子)、音(二階堂ふみ)(C)NHK

(写真6枚)

「食卓だけを舞台に上出来のコント」

そんなわけで、お互い見ず知らず、文通だけの仲なのに関内家に居ついてしまった裕一と、そんな行動にさほど驚きもせずすんなり受け入れてしまっている音(窪田に純粋な目で「あなたは僕の音楽のミューズです」なんて言われて、瞬間うっとりする二階堂がカワイい)。

そこに古山家の父・三郎が乗り込んできて、母屋の食卓だけを舞台に15分間、窪田・二階堂・薬師丸・唐沢4人だけの丁々発止、スピーディな会話だけで魅せきる第23回は、上出来のコントであり爆笑回だった。

裕一のいきなりのプロポーズにハート印で浮かれまくる音。突然の展開に「おいおいおい」「ダメダメダメ」と慌てふためき、責任を押しつけあう2人の親。

しかし、2人っきりになった隙に「2人でエール送り合って音楽の道、究めよう」とキスする裕一と音を見るや「汽車は走りだしました。もう止まれません」と容認の態度に豹変する光子。

見つめ合う音(二階堂ふみ)と裕一(窪田正孝)(C)NHK
第23回より、見つめ合う音(二階堂ふみ)と裕一(窪田正孝)(C)NHK

三郎にさすがにツッコまれるが「頭はダメ、って言っとるけど、行け!って心が叫ぶの!」なんて返しちゃう薬師丸ひろ子の乙女な可愛さったら!! ここにいきなり腹を下す三郎やら、茶をひっくり返す光子やら、陰で「先を越されたわ・・・」とヘナヘナとなる吟(松井玲奈)やら、どストレートなギャグもてんこもり。

ドラマ以前にバラエティ班『サラリーマンNEO』(NHK総合)の演出で名を挙げた吉田照幸ならではのやりたい放題である。なのではあるが一方で、このドラマの象徴的風景ともなっている海と波と空の描写、あるいは豊橋祇園祭の手筒花火。こうした詩的で抒情的な美しいシーンを作り出すのもまた巧いのだ。

少なくともこの4人の間では、ともかく無事に婚約はまとまってしまう(史実でもコンテスト入選から文通を経て結婚するまでたった5カ月足らずだ)。

このとき豊橋滞在中の裕一の元に、どうみても胡散臭い興業主・鶴亀寅吉(古舘伊知郎)が演奏会の企画を持ちかけていた(安易にハンコ押そうとする裕一をとどめて契約書を熟読する音、あるいは案の定、鶴亀にギャラを持ち逃げされて怒り狂う音の姿に未来のふたりが想像できるよね)。

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