一瞬しか映らなくても手を抜かない、エール4週目の見どころ

2020.5.2 20:40

第16回より、裕一(窪田正孝)にコンクールのことを伝える鉄男(中村蒼)(C)NHK

(写真16枚)

「一瞬しか映らない文面まで手を抜かない」

ドラマのなかの裕一は手ひどい失恋後、なんと1年間も生ける屍状態だ。そんなとき、盟友・鉄男は新聞社の編集長(またしても蜷川幸雄門下の俳優・塚本幸男)から「双浦環の原稿を書け」と音楽雑誌を渡される。

その『世界音楽』誌をパラパラとめくるとイギリスの「エスター楽譜出版社」(実際はチェスター社)主催の国際作曲コンクールの募集要項がある。しかも審査員には裕一の大好きなストラヴィンスキーの名が! さっそく裕一にその雑誌を持っていき、応募しろとけしかけるのだ。

とにかくこのドラマ、一瞬しか映らない出版物・手紙などの文面にまでまったく手を抜いていないので、録画をストップモーションしてじっくり読んでしまう。

だからここでまたクラシック・マニアとしては些事に目が行ってしまうのだけれど、音楽専門誌自体が数少ないこの時代、『世界音楽』という雑誌は実際にはなかったが、『音楽世界』誌なら有力誌としてあった。今も京都にある「十字屋楽器店」=「JEUGIA」が出していた雑誌である。

ま、そもそも裕而がこのコンクールについて知ったのも、実は「チェスター社」が出していた輸入雑誌を見てのこと。ちなみにドラマ内広告にある審査員の面々も、ストラヴィンスキー、ラヴェルは当然実在として、「レナード・ボーウェン、ラファエル・ビアンキ」はおそらく創作。

ちなみにストラヴィンスキー(既にSPレコードが入っていた『火の鳥』『春の祭典』はとてつもない衝撃だったろう)は実際のコンテストでも審査員だったらしく、裕而は入選後、「直筆の手紙を彼から貰ったのだがフランス語なので読めないし翻訳してほしい」と恩師(藤堂先生のモデルのひとり)に手紙で頼んでいる。

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