一瞬しか映らなくても手を抜かない、エール4週目の見どころ

2020.5.2 20:40

第16回より、裕一(窪田正孝)にコンクールのことを伝える鉄男(中村蒼)(C)NHK

(写真16枚)

数々の映画メディアで活躍し、本サイトLmaga.jpの映画ブレーンでもある評論家・ミルクマン斉藤。映画の枠に収まらず多方面に広く精通する彼は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)も注意深くチェックするという。この春スタートした『エール』について、第4週(4月20日〜24日放送)を観て思うところを訊いた。

第4週「君はるか」

ついにクレジットに脚本家表記が出た。「原作 林宏司」「脚本 吉田照幸」・・・おお、チーフディレクターの名じゃないか! こんなの朝ドラ史上初めてではないか。と同時に林さんが降板したのも吉田さんと意見が合わなかったからだ、という推測が強まりましたね。でも今のところすこぶる快調な出来なので、僕としてはこのまま吉田流に突っ走っていただきたいところ。

ま、そんなことはどうでもよろしい。この週の目玉はなんといっても主人公・裕一の作曲した『竹取物語』がイギリスの国際作曲コンクールで見事入賞することだ。

史実はというと、(モデルとなった)古関裕而は「川俣銀行」に就職してはいたものの養子騒動に巻き込まれてはいないし(実家の呉服屋が経営危機だったのは本当だ)、学生時代から輸入レコードを聴きまくるサークルに入会して、ストラヴィンスキーやラヴェルなど最先端の音楽に夢中になり、山田耕筰やシェーンベルクの理論書で独学で習得したオーケストラ術で管弦楽曲や協奏曲などを書きまくっていたらしい。

とうてい踊り子にのめりこむ余裕など(もちろん銀行員として生きるつもりも)なかったみたいだが、ま、ドラマとしては人間味が増して大変好ましい。ちなみに裕而のこうした作曲家黎明期のストーリーは国際的コンクールに入賞したことも含め、やはり独学で作曲家になった5歳年下の北海道の青年・伊福部昭とも共通するところが多い。やがて2人は東宝怪獣映画の作曲家として名を並べることになるのだけれど。

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