朝ドラ「エール」第2週で父・安隆が音に見せた新しい世界

2020.4.27 20:00

第6回より、父・安隆(光石研)と橋の下をのぞき込む音(清水香帆) (C)NHK

(写真6枚)

数々の映画メディアで活躍し、本サイトLmaga.jpの映画ブレーンでもある評論家・ミルクマン斉藤。映画の枠に収まらず多方面に広く精通する彼は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)も注意深くチェックするという。この春スタートした『エール』について、第2週(4月6日〜10日放送)を観て思うところを訊いた。

第2週「運命のかぐや姫」

「お前は魚屋だ、色気出すな」とぶん殴られ、書いた詩を投げ捨てられる乃木大将こと鉄男。目撃されたことを恥じ怒って、鉄男が放り投げた裕一のカバンには、鉄男に返すはずの古今和歌集と、裕一のハーモニカが入っていた。

後日、壊れたハーモニカを自力で直した鉄男は、自ら「すまねえ」と裕一に仁義を切る。裕一は紙片に書かれた詩を覚えていて曲を付けるが、今や遅し、鉄男一家は夜逃げして山のなか。虚しく影も見えぬ鉄男に向けて、『浮世小路行進曲』と名付けた曲(譜面も映るが当然正しい)を山に向かって吹く。

笑い合う裕一(石田星空)と鉄男(込江大牙)(C)NHK
第6回より、笑い合う裕一(石田星空)と鉄男(込江大牙)(C)NHK

なかなかドラマティックな展開だが、これは月曜、15分ぽっちのハナシ。とにかく感情を揺り動かすテンポが速くて巧い。

しかし、これまたクリシェをぶっ崩すことが起こる。前週で古山裕一と関内音が教会でボーイ・ミーツ・ガール(とはいえ実際には互いを認識してないので、本当のそれは後に引きのばされる)したシーンがリフレインされるのが、火曜放送の第7回。

ここから関内音が完全にこの週の主役となるのだ。主人公の裕一はほとんど出てこない! まさに初回で暗示されたW主役を暗示させる構成であり、裕一主役の前週以上にセンチメンタルかつドラマティックなのである。

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