大阪府教育庁、教諭パワハラの詳細明かす
2019.10.24 14:00

2014年7月に府内南部の支援学校の男性教諭と女性教諭が口論になり、女性教諭が2018年3月に大阪府と元校長に対して、計600万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴している問題について、大阪府教育庁は23日、「大阪府庁」内で会見をおこない、これまでの経緯について明らかにした。

教諭パワハラ問題について会見をおこなった大阪府教育庁の担当者(23日・大阪府庁)画像一覧

この問題は、50代の女性教諭が30代の男性教諭から「謝れや」などの暴言を受け、急性ストレス障害を発症したというもの。神戸の教員間いじめ問題を受けて、大阪でも教員間の問題が起こっているという報道があり、府教育庁が事実関係を確認。当時の校長と関係者の聞き取り調査によって取りまとめられた。

加害者とされる当時30代前半の男性教諭が当該支援学校に赴任したのが、2012年4月。その2年後、2014年4月に当時50代前半の女性教諭が赴任した。同年4月、「学年会」で男性教諭と女性教諭含む計3人が、学習発表会の担当に。その後、男性教諭が海外研修に参加することになり、その期間と学習発表会の日が重なることから、学習発表会担当を辞任することになった。

男性教諭は6月頃から、担当の2人はもちろん、複数の学年教員にも個別に辞任することを伝達。このとき女性教諭は、学習発表会の担当は学年会で決まったことから、辞任についても学年会で男性教諭が説明する必要があると考えた。

7月14日の学年会で女性教諭は、男性教諭に対して辞任の説明を求めた。男性教諭はすでに学年教員の「大半」に伝えていたと認識していたことから、「もう降ります」と発言。すると女性教諭は、「発表会の担当は学年会で決まったので、学年会で了承を経てから辞任すべきである」と発言。男性教諭は「いや、もう降ります。以上」と発言したが、女性教諭は再度、男性教諭に自ら辞任に関する提案をするよう求めた。

男性教諭は「何を提案するん。降りますって言ってるんです。先生(女性教諭)がゴチャゴチャ言うてくるから、一緒に仕事したくないって言ってるんです」と発言。2人の間でやり取りがされた後、男性教諭は議論が進まないため「もうええわ」と学年会を途中退室。男性教諭は学年会における女性教諭の言動が腹立たしく、帰宅後も眠れなかったため、翌日、女性教諭に謝罪を求めようと考えた。

翌15日の職員朝礼後、男性教諭は女性教諭の座席の後方に行き「昨日のこと謝れや」と怒鳴った。これに対して被害教諭が「何を謝るの」と聞き返した。男性教諭は「昨日のこと謝れや」と繰り返した。女性教諭は「そんな言葉遣いしている人に謝りません」と言ったところ、男性教諭は「このままでは終わらんぞ」と怒鳴った。

同僚の教諭が駆け寄り、2人の距離を離そうとした。男性教諭は「昨日のことええから謝れ」と怒鳴り、女性教諭は「それを謝らなければいけないのだったら、あなたはもっといろいろなことを謝らなければいけないでしょ」と大声で反論。その後、同僚教諭に連れられ男性教諭は自席に戻ったが、「はよ謝れや」と大声で数回怒鳴ったため、同僚教諭が職員室の外に連れ出した。女性教諭はこの口論から2日後の17日に医療機関を訪れ、急性ストレス障害と診断された(約3カ月休職)。18日には来庁し、パワハラを受けたと相談した。

女性教諭は2015年3月、男性教諭に対して慰謝料など220万円の支払いを求める訴訟を起こす。大阪地裁堺支部は2017年2月、訴えの一部を認めて男性教諭に対して22万円の支払いを命じる判決を言い渡したが、暴言と障害の因果関係は認めなかった。また、男性教諭は不適切な言動として訓戒処分を受けた。

また女性教諭は2018年3月、男性教諭に適切な指導をしなかったとして、校長と大阪府に対して慰謝料と弁護士費用合わせて600万円を求める裁判をおこしている。この日の会見で、府側は「適切に対応してきた」と反論。現在係争中で、裁判でもその旨を主張・立証していくと語った。

現在、どちらの教諭も継続して府内の支援学校教員として勤務している。府教委教職員人事課の伊庭亨課長は、「双方教諭とも生徒に対して専門性を発揮し、教育に従事してもらっている。男性教諭に関してはその後、トラブルの報告もない。双方とも引き続き一生懸命、児童生徒に寄り添って支えてほしいと思っている。教諭の相談体制は整えているので、何かあれば相談者の思いに沿って対応しており、改めて周知する」とコメントした。

取材・写真/岡田由佳子

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