キュッキュ救出、母チョコも安堵の鳴き声

2019.10.1 20:30

無事保護されたアシカの赤ちゃん「キュッキュ」(1日・大阪市提供)

(写真3枚)

9月27日から行方不明になっていた「天王寺動物園」(大阪市天王寺区)のアシカの赤ちゃん「キュッキュ」(3カ月・雌)が、10月1日・昼10時10分頃に発見された。母親の「チョコ」と鳴き声でお互いを確認し合っている。

同園では、「キュッキュ」が行方不明になって以降、手の空いているスタッフ全員と下水道の専門業者ともに連日、朝から夕方まで園内外のマンホール内をひとつひとつ開けて捜索していた。

前日の9月30日も見つけることができず、飼育員も厳しい状況を予想していたが、10月1日・朝8時頃に開園の準備に訪れたとき、アシカ池の周りで「キュッキュ」の鳴き声がするのが聞こえたという。アシカ池の前にある4つのマンホールに職員総出で聞き耳を立て、花壇のなかにあるマンホールから鳴き声がするのが分かり、発見に至ったという。

アシカ池からほど近い花壇にある、キュッキュが発見されたマンホール(1日・天王寺動物園)

アシカの飼育員・河合芳寛さんは、「本当に生きていてくれて、しかも予想以上に元気で良かった。チョコも午前中はいつもと様子が違う鳴き声だったが、キュッキュと鳴き声でやり取りすることで、いつも通りのリラックスした鳴き声に戻った」と安堵の表情を浮かべる。

キュッキュが発見された日、アシカ池には多くの来園者が訪れた(1日・天王寺動物園)

ニュースを見て、兵庫から1時間かけて駆けつけたというアヤさん(兵庫県)は、「ニュースやツイッターを見て心配していました。見つからないので今日は来ようと、前日に決めて。そしたら、朝に見つかったというツイートが上がって、本当にうれしかったです」とアシカたちを見つめた。

同じくニュースを見て駆け付けた柴垣幸治さんとあずささん夫婦(大阪市内)は、「ずっと心配していて、見つかって安心しました。ここ数カ月、動物が相次いで亡くなっていたので、気が気じゃなかった。体調も元気なようで、本当に良かったです」と笑顔。

「キュッキュ」が流されたという排水溝には現在、網とカバーを設置。大きいアシカのいたずらでは決して外れないようにされているという。また、「キュッキュ」は下水道のなかに入ってしまったため、検疫のために約2カ月間はサブプールで過ごし、経過を観察する予定となっている。

夕方頃の「キュッキュ」の様子は、「チョコ」に母乳を求めて鳴く様子も見られたが、いつもの場所に戻れた安心感からか、スヤスヤと眠りについていた。

取材・写真/岡田由佳子

「天王寺動物園」

住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-108
営業:9:30~17:00(入園は16:00まで) ※月曜休
電話:06-6771-8401

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