朝ドラの劇中音楽、明かされた制作秘話
2017.11.12 7:00

松たか子が歌う『明日はどこから』が主題歌の連続テレビ小説『わろてんか』(NHK総合)。彼女の声に毎朝癒やされるファンも多いと思うが、その劇中で流れる音楽に関しては意外と意識をしていないのでは。映画『ちはやふる』やドラマ『リバース』(TBS)などに楽曲を提供し、本作でも音楽を担当する作曲家、横山克がその制作秘話を明かした。

『わろてんか』より藤吉役の松坂桃李(左)、てん役の葵わかな
『わろてんか』より、藤吉役の松坂桃李(左)、てん役の葵わかな画像一覧

作曲するにあたり、「連続テレビ小説の大きな特徴は、見ることが習慣化していること。つまり、生活の一部になっていることだと考えました。だから作曲にあたっては、毎日見ているうちに自然と人の心に刷り込まれていく、そんな音楽を強く意識しました」と話す横山。

「最初に作ったのは『笑い』という曲。作曲を始める前にまず、てんの若い頃の時代を調べてみたんです。するとその当時、アメリカではジャズの源流となるラグタイムという音楽が流行っていたことがわかりました。映画『スティング』で使われていた、スコット・ジョプリンの『ジ・エンターテイナー』などが有名ですよね。その独特のリズムの繰り返しは、シンプルだけれど一度聞いたら耳から離れない。これは、朝ドラに非常に向いているなと。それで、ラグタイムから着想を得たメロディを発展させて、曲に仕上げていきました」という。

『わろてんか』より
『わろてんか』より画像一覧

「メロディはもちろん大切ですが、どうしても限界がある。だから僕は、これまでも必ずプラスαの工夫を盛り込むことを大切にしてきました。今回の場合、作品の時代性を考えて曲を作るアイデアもそのひとつ。もうひとつが、ベルギーでの録音です。てんの人生を大きく包み込む音として、『てんのテーマ』を、ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏、英国を中心に活躍している Youki Yamamotoさんの指揮で録音してきたのです。ヨーロッパのオケは叙情的なフレーズを柔らかく演奏することに長けていますし、ホールの響きも素晴らしい。良い音が収録できました」

「打弦楽器の一種・ツィンバロムを使い、音色に特徴を加えた点も今回のアイデアのひとつです。この楽器の音は、クラシカルなオーケストラの音色にもよくマッチするし、コミカルな表現もできる。まさにこの作品にピッタリだと思ったんです。N.Y.などでジャズトリオを組んでいるルカーチ・ミクローシュさんと以前から交流があったので、どうしても彼に弾いてほしくてブダペストまで行って録音してきました」とそのこだわりを明かす。

「僕の母親がそうだったんですが、朝ドラって、毎朝、家事や出かける準備をしながら見るものだと思うんです。そんな風に、生活のなかに溶け込むことで半年間、みなさんの朝を明るく、ときには切なく演出する、そのお手伝いができたら」とコメントした。

連続テレビ小説『わろてんか』

日程:2017年10月2日(月)〜2018年3月31日(土)
URL:http://www.nhk.or.jp/warotenka/

  
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