(PR)岡山芸術交流、小吹撰・必見作品
2016.10.15 12:00

10月9日から岡山市内中心部で始まった国際現代美術展『岡山芸術交流2016』。現地を視察してきた美術ライターが、特にビビッときた作品を紹介します。

サイモン・フジワラ《ジョアンヌ》 会場:岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町8-54)
サイモン・フジワラ《ジョアンヌ》 会場:岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町8-54)画像一覧

まず、サイモン・フジワラの《ジョアンヌ》(会場:岡山県天神山文化プラザ)。本作は、フジワラのかつての美術教師だったジョアンヌ・サリーのポートレイト写真と映像で構成されています。1998年度のミス北アイルランドである彼女は、男子学生が彼女のトップレス写真を発見し、拡散したことでタブロイド紙報道の被害者となりました。本作ではイメージを一新した彼女が新しいイメージを世界に発表しようとする様子を捉えていますが、本人の過剰なまでのセルフ・ブランディングや高揚ぶり、時に凶器となり武器ともなるメディアのあり方を前に、何とも複雑な気分になりました。

ピエール・ユイグ《無題(ヒューマン・マスク)》 会場:林原美術館(岡山市北区丸の内2-7-15)
ピエール・ユイグ《無題(ヒューマン・マスク)》 会場:林原美術館(岡山市北区丸の内2-7-15)画像一覧

もうひとつは、ピエール・ユイグの《無題(ヒューマン・マスク)》(会場:林原美術館)です。約19分の映像作品で、廃墟となった食堂の中を能面のような仮面を被った猿が徘徊する様子を、静かな緊張感と共に綴っています。最初は人形劇だと思い込んだため、猿に仮面を被せていると知った時の衝撃は強烈でした。猿はよく訓練されているのでしょう、非常に人間的な動きを見せますが、別の瞬間には野生を垣間見せ、無表情な仮面との間に埋めがたいギャップが生じます。まるで見てはいけないものと出くわした時のような、すぐにでもこの場を離れたい、でも目をそらすことができない、そんな体験ができる作品です。

眞島竜男《Untitled》 会場:岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町8-54)
眞島竜男《Untitled》 会場:岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町8-54)画像一覧

ほかには、干しダコとキリスト教伝来を関連付けた映像&インスタレーションの荒木悠と、岡山の中学生に「境界」について自由に文章を書いてもらい、それらを新聞に連載した下道基行(会場:旧後楽館天神校舎跡地)、岡山の昔話「桃太郎」をテーマにした映像と粘土彫刻や、トム・クルーズ主演の映画ポスターからアメリカ人像の原型を探った眞島竜男(会場:岡山県天神山文化プラザ)は見応えがありました。もちろん、これら以外にも見るべき作品は多々ありますが、私としては彼らの作品を絶対に見てほしいです。

※会期中に関連イベントあり。詳しくは公式サイトにて

文・写真/小吹隆文(美術ライター)

【会場の建築もこのイベントの大きな魅力 → こちらへ】

【地元との交流目的で配られているマップとは? → こちらへ】

『岡山芸術交流2016』

期間:2016年10月9日(日)〜11月27日(日)・月曜休
時間:9:00〜17:00 ※入館は16:30まで ※シネマ・クレール丸の内会場は12:15〜13:45の1日1回上映
会場:旧後楽館天神校舎跡地、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、旧福岡醤油建物、シネマ・クレール丸の内、林原美術館、岡山城、岡山県庁前広場、岡山市内各所
料金:一般1,800円、学生(高校生・専門学生・大学生)1,200円、シルバー(満65歳以上)1,300円 ※中学生以下無料
電話:086-221-0033(実行委員会事務局)
URL:http://www.okayamaartsummit.jp/

  
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