小吹隆文撰・週末アート、7/27〜
2016.7.27 20:00

小吹隆文撰・週末アート、7/27〜

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、サブカルの旗手、漫画家岡崎京子の展覧会と、戦後の前衛美術、夏休みに親子で楽しめる展覧会を紹介します。

 

時代の価値観を体現した女性マンガ家
『岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ』
@伊丹市立美術館(兵庫県伊丹市)

『pink』、『リバーズ・エッジ』、『ヘルタースケルター』などで知られる、1980〜90年代を代表する女性マンガ家の一人、岡崎京子。

『リバーズ・エッジ』 宝島社 ©岡崎京子
『リバーズ・エッジ』 宝島社 ©岡崎京子画像一覧

都市に生きる少女の日常、変容する家族像、女性の欲望や不安を描き、映画、文学、音楽、現代思想からの引用を特徴とする彼女の作品は、従来のマンガの枠を超えた広範な支持を獲得、一躍サブカルチャーの旗手的存在になりました。1996年に不慮の事故に遭い活動を休止しましたが、その評価は現在も変わりありません。本展は昨年に東京の世田谷文学館で開催され、大反響を呼んだことから巡回が決定したもの。原稿、原画、掲載誌、学生時代のイラスト、スケッチなど約300点が展示され、関西のファン待望の機会となります。

2016年7月30日(土)〜9月11日(日)
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前衛芸術が一番熱かった時代
『あの時みんな熱かった! アンフォルメルと日本の美術』
@京都国立近代美術館(京都市左京区)

敗戦から約10年が経ち、経済白書に「もはや戦後ではない」と記された1956(昭和31)年、パリで活躍する美術評論家ミシェル・タピエが来日し、欧米の最新美術「アンフォルメル(不定形なるもの)」をもたらしました。

白髪一雄《天暗星青面獣》1960年 兵庫県立美術館(山村コレクション)
白髪一雄《天暗星青面獣》1960年 兵庫県立美術館(山村コレクション)画像一覧

作者の行為(アクション)の痕跡や鮮烈な色彩、素材の生々しい物質感を特徴とする作品群は、たちまち日本の美術界を席巻。洋画、彫刻はもちろん、日本画、陶芸、生け花まで巻き込んで一大ブームを巻き起こしたのです。本展では、約100点の作品で当時の「熱い」状況を振り返ります。戦後日本の前衛美術を代表する作家たちと、タピエが紹介した欧米の作家たちが揃っており、アンフォルメルが果たした役割を検証する絶好の機会です。

2016年7月29日(金)〜9月11日(日)
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美術館ビギナーにおすすめの展覧会
『なつやすみの美術館6 きろくときおく』
@和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上)

「和歌山県立近代美術館」が毎年開催している子供向けの展覧会。親子で楽しむこともできるし、美術館ビギナーの入門編としても最適です。

栗田宏一《ソイル・ライブラリー/和歌山》2007年 和歌山県内の土、ガラス瓶
栗田宏一《ソイル・ライブラリー/和歌山》2007年 和歌山県内の土、ガラス瓶画像一覧

今回のテーマは「きろくときおく」。プライベートな出来事、社会的な出来事、楽しかったこと、悲しかったことなど、人間は日々いろいろな体験をし、それを記憶にとどめます。そして記憶にとどめておくように、文章、写真、映像などで記録しますが、美術作品の中にも記録や記憶が重要な要素となっている作品が沢山あるのです。本展では、「和歌山県立近代美術館」の豊かなコレクションから、このテーマにふさわしい作品をピックアップしています。親子で、友達同士で話し合いながら、夏休みの一日を美術館で過ごしましょう。

2016年7月2日(土)〜9月19日(祝・月)
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