構想15年 大作アニメ映画「ガンバ」
2015.9.30 14:30

映画『STAND BY ME ドラえもん』や『ALWAYS 三丁目の夕日』などを手掛け、最先端のVFXや卓越した3DCGアニメーションで知られるトップクリエイター集団・白組による、小さなネズミ・ガンバを主人公にした映画『GAMBA ガンバと仲間たち』がいよいよ公開される。総制作費はなんと20億円! ビッグプロジェクトとなった本作について、企画から数えて15年に渡る熱い思いを、共同監督を務める小森啓裕、河村友宏の2人にうかがった。

左から小森啓裕監督、河村友宏監督
左から小森啓裕監督、河村友宏監督画像一覧

原作はこれまでも映画化・アニメ化されている、斎藤惇夫の児童文学『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(1972年)。「ピクサーやディズニーにはない、日本ならではの3DCGアニメーションを作りたい!」を命題に、プロジェクトが始まったのは15年も前のことだ。当時、2人とも原作を読んだことがなかったらしいが、「子どもにもわかりやすい王道の冒険ストーリーに、40年も読み継がれる魅力を感じた」(河村)、「原作の持つポテンシャルを継承しながら、いかに現代らしくアニメーションで表現できるか」(小森)とそれぞれが語る通り、原点に立ち返るところから始まった。

テレビアニメ版をリアルタイムで観ていたという河村監督は、そのイメージをあえて捨て、新たなキャラクターを模索することに専念。「小説を元にラフ画を描いて小森に見せると『全っ然違う!』って言うんですよ。『じゃ、オマエ書いてみろよ!』って見たら、そっちこそ全然違う(笑)。最初はよく喧嘩になりましたね」。最終的に、キャラクターの表情をより自由に、豊かに表現できる、人間溢れるガンバが誕生した。

映画『GAMBA ガンバと仲間たち』<br />© SHIROGUMI INC., GAMBA
映画『GAMBA ガンバと仲間たち』
© SHIROGUMI INC., GAMBA
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「でも、キャラクター以上に苦労したのは水の表現です。ガンバは海の映画。海が生き生きと描けなければ意味がない。波や飛沫(しぶき)を作り出すのに、自社でオリジナルのソフトを開発したりと、多くの時間を費やしました」(河村)。「当初、2010年頃には公開する予定だったのが大幅に遅れましたけど、こだわり抜いた海は、満足できるものになりました」(小森)。製作期間10年の重み。想像を絶する苦難と格闘してきた様が伺える。

物語の主軸は街ネズミ2匹の『バディもの』だが、ヒロイン・潮路とオオミズナギドリ・ツブリというキャラクターには、「女性の活躍」という大きな思いも。「現代社会の象徴として『女性の強さ』を描きたかったんです。うちの会社も女性の方が多い。結局『男を支えてくれるのは女性なんだ』という裏テーマなんです」(小森)。ちなみに、ツブリ役の野沢雅子が、かのテレビシリーズではガンバ役だったことは多くのファンが知るところ。「新ガンバを助ける役目には、野沢さん以外に考えられない」(河村)と、熱烈ラブコールを送ったことも明かした。

小さなネズミたちが、勇気と友情を旗印に大海原へ漕ぎ出す一大冒険活劇。その闘いは、子どもだけでなく、大人にも多大な勇気をくれるはずだ。

取材・文/hime

映画『GAMBA ガンバと仲間たち』

2015年10月10日(土)公開(2D/3D)
監督:河村友宏、小森啓裕
出演(声):梶裕貴、神田沙也加、高木渉、矢島晶子、高戸靖広、藤原啓治、池田秀一、ほか
配給:東映
1時間32分
URL:http://www.gamba-movie.com

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