人間の本質が見える? 大英博物館展
2015.9.21 22:20

東京・福岡で計40万人も動員した『大英博物館展ー100のモノが語る世界の歴史』が9月20日から神戸で始まりました。人類の文化遺産の殿堂と呼ばれるイギリスの[大英博物館]が約700万点もの所蔵品の中から、厳選した100点。人類200万年もの歴史から選ばれたモノが並んでおり、そこからは歴史、宗教、人の欲望などいろんな側面が見えてきます。

ルイス島のチェス駒 1150〜1200年 イギリス、ルイス島 おそらくノルウェーで制作
ルイス島のチェス駒 1150〜1200年 イギリス、ルイス島 おそらくノルウェーで制作画像一覧

もともと今回の企画は、イギリスのBBC局とペンギンブックスと一緒になって企画したラジオ番組が発端。いつ製作されたといった事実だけではなく、それが存在するということの意味や背景をも紐解いていく内容が人気となり、本も出版され世界的なヒットに。今回はそれをベースに、より目的を進化させた企画展となっています。

教科書にも登場するような《ウルのスタンダード》やハリー・ポッターにも登場した《ルイス島のチェス駒》などひと目見て歴史的価値を感じられるものもありますが、そこにどんな”物語”があって選ばれたのか、説明を読まなければ気付かないものも。例えば、トナカイの角に彫られたマンモス。1万4000~1万3500年前に作られたものですが、投槍器という武器ながらも装飾を施しており、すでにその頃からアートが存在したことを伝えてくれる”モノ”です。

また有名な《ウルのスタンダード》も、一面には王が家臣達と過ごす宴、そのために働く労働階級。そしてその裏面にはその豊かさを保つために戦争へと向かう姿が刻まれています。紀元前2500年前のものなのですが、今も同じ構図が世界で続いているなんてことにまで、思いを馳せさせてくれます。

ヴィクトリア朝のティーセット 1840〜1845年 イギリス
ヴィクトリア朝のティーセット 1840〜1845年 イギリス画像一覧

今回、キュレーターを務めたベリンダ・クレラーさんのお気に入りの一つは《ヴィクトリア朝のティーセット》。「ミルク用のジャグがあるということは、田舎から街中への鉄道などの移動手段が発達したこと。紅茶を飲むということは中国から茶葉が伝わって、その時にアヘンも一緒に広まってしまったことなど。ただ、イギリス人ですと生活にとって当たり前過ぎる品なので、何も思わず通りすぎるかもしれない、でも、そのモノの意味を考えるとといろんな人々の暮らしが見えてきます。モノを通して見た歴史を楽しんでほしい」と記者説明会で語りました。

そのモノが意味する物語を知れば、想像力がどんどん広がって”デザインがステキ、美しい”以外の感想を持てるはず・・・そのためには、パネルを読んで時間をかけて観賞して。また今回は各会場で大英博物館から101点目を選ぶようにとの宿題が与えられており、神戸市立博物館が何を、なぜ選んだのかもお楽しみに。

All photographsⒸThe Trustees of the British Museum

『大英博物館展ー100のモノが語る世界の歴史』

期間:2015年9月20日(日)〜2016年1月11日(祝・月)
場所:神戸市立博物館
時間:9:30〜17:30(土曜は〜19:00)※入館は閉館の30分前
月曜休、10/13・11/24・12/29〜1/1は休
料金:一般1,500円、大学・高校生1,100円、中・小学生600円
電話:078-391-0035
URL:http://www.history100.jp

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