鴻上尚史、最新作は内戦状態の日本
2015.8.19 8:00

今年4月に上演した、風間俊介主演『ベター・ハーフ』のように有名俳優の出る大きな舞台を数多く手がける一方で、若手俳優の育成を目的にした「虚構の劇団」も主宰する作・演出家の鴻上尚史。その最新作の公演を前に、鴻上が大阪で会見を行った。

他の舞台と比べて「虚構の劇団」の良い所は、自分がリアルタイムで考えている時事的な問題を、すぐ作品世界に反映できることだという。「昨今思っていることを、全部ぶち込めました。大きな規模の舞台だと、役者とかのスケジュールを1年前には押さえるから・・・。なるべくタイムラグはないようにしようと思うんですが、この劇団に書く時みたいな生々しさはなかなか作れないんです」

作・演出家の鴻上尚史
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本作には「スナフキンの手紙Neo」という副題が付いている。『スナフキンの手紙』といえば、1995年に岸田國士戯曲賞を受賞した鴻上の代表作だ。「『スナフキン〜』は、もし連合赤軍事件の時から、違う(日本の)歴史が始まっていたら・・・という発想から生まれた作品。その作品を今現在同じ発想で書いたら、どういう風になるだろう? と思ったら、国が2つに分かれて内戦状態の、パラレルワールドの日本という設定になりました。今の日本は、国家単位で意見が真二つに分かれて、『スナフキン〜』の時より戦争状態に近い。今インターネットでは威勢のいい言葉が飛び交っているけど、じゃあこの人たちが実際に戦い始めたら、どんな日本になるんだろう? という」

シリアスな場面でも笑いやダンスが入る芝居は鴻上の作品の特徴だという
シリアスな場面でも笑いやダンスが入る芝居は鴻上の作品の特徴だという画像一覧

物語は、敵側の捕虜と尋問担当の軍人として再会した元恋人同士の話が中心になる。「自分にとっての国家とか、生きる意味や戦う理由がたくさん見えてくる芝居になると思っています。でもそんな芝居の中に、笑いやダンスが入るのも僕の作品の特徴。今回は佃井皆美という『仮面ライダー(鎧武)』でマリカを演じた子が出るので、派手なアクションも入る、楽しい作品としてやりたいと思っています」

取材・文・写真/吉永美和子

虚構の劇団 第11回公演 「ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG 〜スナフキンの手紙Neo〜」

作・演出:鴻上尚史
出演:小沢道成、小野川晶、杉浦一輝、三上陽永、渡辺芳博、森田ひかり、木村美月、オレノグラフィティ、佃井皆美、ほか
日程:2015年9月11日(金)〜13日(日)・時間は日程により異なる
料金:4,500円(全席指定)
電話:0570-023-300(近鉄アート館チケットセンター/10:00〜18:00)
URL:http://kintetsuartkan.jp/

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