観る者を挑発、現代美術のハードコア
2015.4.9 16:39

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」。そんなことを突然言われたら、あなたはどう思いますか。刺激的、野心的、意味不明など、いろんな言葉が浮かんできます。そう、この展覧会は観客を挑発し、「美とは何か」を問うものなのです。

会場風景(ホセ=マリア・カーノ作品)
会場風景(ホセ=マリア・カーノ作品)画像一覧

本展は台湾の電子部品メーカー[ヤゲオ・コーポレーション]の会長ピエール・チェン氏が設立した財団の美術コレクションを紹介するものです。チェン氏は最初、台湾人アーティストの作品を収集していましたが、その後欧米の現代美術も関心を広げ、現在では世界のトップ10コレクターの一人に挙げられています。収集した作品はしまい込まず、自宅や会社に飾っています。

会場風景(ロン・ミュエク作品)
会場風景(ロン・ミュエク作品)画像一覧

さて、肝心の展覧会です。前半は、サンユウやポール・チアンなど台湾・中国のアーティストが紹介されています。彼らの作品を日本で見られる機会は非常に貴重です。その後は、杉本博司、ゲルハルト・リヒター、アンドレアス・グルスキー、アンゼルム・キーファー、フランシス・ベーコンなど、キラ星のごとき巨匠たちが次々と登場。現代美術史を概観する贅沢な展示に見とれつつ、これらの収集に一体幾らかかったのかと下世話な気持ちを抑え切れません。

そう、美術作品には、お金やステイタスなど人間のさまざまな欲望が付随しており、それらの総体として「美」が形成されているのが現実です。今まで日本の美術館はカマトトぶった所がありましたが、本展では思い切って本音をぶつけてきました。

こうした視点を肯定するか否定するかは見る人次第で、正解はありません。しかし、今までの思い込みを一旦脇に置いて、改めて「美とは何か」を考えるのも悪くないと思います。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展』

期間:3月31日(火)~5月31日(日)
時間:9:30~17:00(金曜~20:00) ※入館は閉館30分前まで、月曜休(5/4開館)
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
料金:一般1,200円、大学生500円、高校生および18歳未満・心身に障がいのある方と付添者1名無料(要証明)
電話:075-761-4111
URL:http://sekainotakara.com

  • facebook
  • twitter
  • はてブ

コメント

  • Facebook
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

エルマガジンが発行する本に掲載した“うまいお店“を簡単に検索できます。

関西で行われる展覧会やライブなどのイベント情報を探すことができます。