素人ばかり、新感覚のおばちゃん映画
2015.1.16 16:15

恐ろしくリアルで、ユーモラスな「おばちゃん映画」が誕生した。映画『滝を見にいく』。キャスト全員をオーディションで選び、無名の俳優や、演技経験の全くない主婦などに「当て書き(キャストを先に決め、それをイメージして台本を書くこと)」した、パワフルかつ哀愁に包まれたロードムービーだ。監督・脚本は、『南極料理人』『横道世之介』などを手掛けてきた沖田修一監督。作品の背景を聞いてきました。

沖田修一監督
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「新潟県の妙高市から、”ワークショップで映画を撮らないか?”って言われたんです。しかも、好きなもの撮っていいと。だから、大手配給ではできそうにないけど、やってみたかった”3人のおばちゃんが迷子になる”というアイデアをやっちゃおう!って。フツー無理でしょ、そんな企画(笑)」。

美男・美女より、おじちゃん・おばちゃんのほうが”人生や生活臭が滲み出てて面白い”という監督。「3〜4日かけて、40歳以上の女性限定でオーディションをしたんです。演技力とかじゃなくて、その人独自のキャラクターを生かしたくて。だから、全員に半生を語ってもらって・・・40人弱の怒濤の人生を、それぞれ1時間くらいかけて聞きましたね。正直、おばちゃん酔いしました(笑)。最初は、演技をしたことがない人だけで撮ろうと思ってたけど、経験者と混ぜてみると、化学反応が起きたのが面白くて・・・結局半々にしたんです」。

映画『滝を見にいく』より
映画『滝を見にいく』より画像一覧

衣装や小道具も、自前のものを半分くらい取り入れて、セリフも役どころも、なるべく本人そのままを反映したという。「普段から着てるものは、やっぱ馴染むんですよね。稽古で着てたものを”あ、それにしよう!”と。オペラをやってる人は、そのままオペラ歌手の役だし、なるべく自然でいられるようにしたかった。演出も演技指導っていうより”おばちゃん度○%で”、”あ、ハイハイ”みたいな(笑)」。

山という巨大な密室に閉じ込められた、「七人の侍」ならぬ「七人のおばちゃん」の悲喜こもごもを描いた映画『滝を見にいく』。どのキャラクターも、”友達のお母さん”にひとりはいそうな身近さがいい。我こそは”おばちゃん”だという方も、その予備軍も、このジワジワ染み出す新感覚の笑いをぜひ堪能していただきたい。

取材・文・写真/hime

映画『滝を見にいく』

2015年1月17日(土)公開
監督:沖田修一
出演:根岸遙子、安澤千草、荻野百合子、ほか
配給:松竹ブロードキャスティング、ピクニック
1時間28分
シネマート心斎橋、京都シネマ(1/24〜)、元町映画館(2/21〜)で上映
URL:http://takimini.jp/

  
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