滋賀出身の北山善夫、故郷でアート展
2015.1.15 15:58

竹や紙を用いた巨大な立体作品、土偶の群像、超細密な絵画作品などで知られる北山善夫さんが、生まれ故郷の滋賀県東近江市で大規模な個展を開催しています。彼は1982年に現代美術の国際美術展覧会『ヴェネツィア・ビエンナーレ』の日本館代表に選ばれ、その後も国内外で高い評価を受けているベテラン作家です。

《大声で笑い歌い、時には泣き》(部分) 2015年
《大声で笑い歌い、時には泣き》(部分) 2015年画像一覧

作品は、絵画、彫刻、インスタレーションの全9点。会場に入ると、染色、土偶、絵画、アンティーク人形、歴史事件新聞、死亡告知記事からなるインスタレーション《大声で笑い歌い、時には泣き》が、観客を迎えてくれます。その先には、竹、木、紙、革などによる渦巻銀河のような彫刻《中腰で眺める》、新聞記事と絵画を組み合わせた《死亡記事ドローイング》があり、さらに奥には全幅11メートルを超える超大作絵画《彼女は今しがた発った》が。その左右には、土偶の群像や宇宙空間を描いた絵画が並んでいます。

《彼女は今しがた発った》 1992年 
《彼女は今しがた発った》 1992年 画像一覧

大量の壊れた土偶が並ぶ様や、それらを描いた絵画、新聞の死亡記事をモチーフにした作品を見ると、「死屍累々」という言葉を連想します。北山さんは少年時代に大病を患い、何度も死に直面しました。その経験が作品に反映しているのは間違いありません。ただし、死のみをクローズアップするのは間違いです。作品の中にはセックスや出産の場面、宇宙空間もあり、むしろ死と生を中心に、自我、宇宙、社会、美術史などの要素を投げ込んだ混沌のるつぼと解釈すべきではないでしょうか。我々はそれらの作品を通して、ミクロからマクロに至る壮大な精神の往還を味わえるのです。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『東近江市ゆかりの芸術家シリーズ Vol.6北山善夫展』

期間:2015年1月10日(土)~1月30日(金) ※1/13・19・26休館
時間:9:30〜17:00
会場:東近江市立八日市文化芸術館 展示室(滋賀県東近江市青葉町1-50)
料金:入場無料
電話:0748-23-6862
URL:http://yokaichi-bungei.com/

  
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