あの埴輪キャラ!? 奈良で歴史好きのツボ突く企画

2021.8.22 07:45

無料ダウンロードできる唐古・鍵考古学ミュージアムの本格的な馬形埴輪のペーパークラフト(写真は筆者の子どもが制作したもの)

(写真8枚)

8月15日にSNSで拡散された際、「(NHK教育テレビ『おーい!はに丸』に登場する)ひんべえ!ひんべえじゃないか!」のコメントが飛び出すなど、注目を集めたのが「唐古・鍵考古学ミュージアム」(奈良県磯城郡田原本町)によるペーパークラフト。現在、どんどんとバリエーションが増えている最中だ。

日本最大級の弥生時代の環濠集落「唐古・鍵遺跡」で知られている地域にあり、県内随一の弥生時代が学べる同ミュージアム。今回反響があった馬形埴輪は、約1500年前(古墳時代)の「笹鉾山2号墳」(田原本町)から出土した1体をペーパークラフト化。実際に見比べてみると、たてがみの突起や手綱、馬の装飾具である杏葉(ぎょうよう)など細部まで紙でリアルに再現されているのが分かる。

記者が試しに小学4年生の子どもと一緒にチャレンジしたところ、紙を切るところから完成までにかかったのは約1時間40分。子ども向けとはいえ、なかなかの難易度だが、親子で盛り上がって作ることができた。

ほかにも、4〜5時間はかかるという唐古・鍵遺跡史跡公園に復元された「楼閣」バージョン、8月13日にはこれまでのものよりも簡単に作ることができる「絵画土器(かいがどき)」バージョンも公開。現在、難易度が1〜5までそろうようになった。

これらをすべて手がけたのは奈良県磯城郡田原本教育委員会文化財保存課の清水琢哉さん。2020年から「おうち時間」用にとスタートし、「1枚の紙から凝ったものが作れるギャップに魅力を感じている。『馬形』は限りなく本物に近く、子どももできるようなるべく簡単にしています。制作しながら、古墳の上が色々な埴輪という焼き物で飾られていたことや馬具の各部位の名称なども知ってもらえれば」と話し、作品の説明書もダウンロードできるようになっている。

現在は、一緒に出土した馬の手綱を引く「馬飼」の埴輪もデザイン中だそうで、「ペーパークラフトから興味を持ってもらい、子ども達が(来館し)実物に触れて感動してもらえたら」と清水さん。すべて、公式サイトの「つくってみよう」コーナーから無料でダウンロードでき、夏休みの最後の自由研究にも最適となりそうだ。

取材・文・写真/いずみゆか

「唐古・鍵考古学ミュージアム」

住所:奈良県磯城郡田原本町阪手233-1 田原本青垣生涯学習センター2F
時間:9:00〜17:00 月曜休(祝日の場合は翌平日休)
料金:大人200円、大学・高校生100円
電話:0744-34-7100

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