【連載】舞台上等、どうぞご贔屓に vol.2

2016.4.7 07:00

最新公演は、人気ギャグ漫画原作の舞台『磯部磯兵衛物語』

(写真5枚)

末は大阪名物、関西発の地域応援型劇団

関西を拠点に活動する劇団・役者・カンパニー・団体・演出家・脚本家は数知れず。演者の息吹が感じられるせっかくのチャンスを逃さないよう、息巻く舞台・演劇関係者が自分たちのご贔屓をプレゼンテーション。エッジの効いた小劇団から、レヴューの王道・宝塚歌劇団まで広いストライクゾーンが持ち味のライター・石橋法子がピックアップしたのは、大阪の劇団Patch!

—「関西から日本を元気に!」が合言葉—

劇団Patchは瀬戸康史らを輩出する「ワタナベエンターテインメント」所属の俳優集団・D-BOYS、その関西版として2012年に発足。劇団名は関西弁で一生懸命を意味する「必死のパッチ」に由来し、現在オーディションを勝ち抜いた関西に住む17~26歳の男性16名が所属しています。面白いと感じるのは、彼らが旗揚げ当初からエンタメの力で「関西から日本を元気にしたい!」と志を掲げていること。最近ではNHK連続テレビ小説「あさが来た」に出演するなど、テレビ、ラジオ、舞台、イベントなど様々なメディアで活動し、実力が伴うにつれ徐々に露出が増えつつある彼ら。やがて、大阪といえば「たこ焼き、阪神タイガース、劇団Patch」と言われるその日まで、志を高く掲げる若手劇団のご紹介です。

—武者修行企画を経て、怒濤の成長期へ!—

劇団急成長の鍵を握るのがPatch総合演出家・末満健一の存在です。末満と言えば80~90年代に隆盛した関西小劇場ブームの一端を担った、劇団「惑星ピスタチオ」元メンバー。佐々木蔵之介らと一時代を築いた根っからの演劇人です。

舞台『磯部磯兵衛物語』の通し稽古で磯兵衛役の井上拓哉らを鋭いまなざしで見つめる脚本・演出の末満健一
舞台『磯部磯兵衛物語』の通し稽古で磯兵衛役の井上拓哉らを鋭いまなざしで見つめる脚本・演出の末満健一

2000年代に入ると関西では劇場閉鎖や劇団解散などが相次ぎ、演劇界を取り巻くムードは停滞気味に。そんな状況を打開するべく「地域に根差した劇団の発足が急務」と考えた末満が行動に移したことで、全てが動き出しました。オールマイティーな表現者を育てるべく指導にも熱が入り、劇団発足2年目には8カ月連続で8人の演出家の新作を上演する武者修行企画『Patch8番勝負』を敢行。挫折や葛藤を通してプロとして自覚を叩き込み、2015年末には念願の「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)へ進出。気づけば舞台の仕込みから小道具制作までも担える基礎体力が身に付き、メンバーらは急成長を遂げました。

Patch8番勝負 其の伍『逆さの鳥』より
Patch8番勝負 其の伍『逆さの鳥』より

—新作はジャンプ連載のギャグ漫画を舞台化—

近年は中山義絋、竹下健人が「あさが来た」に出演、三好大貴は自らの脚本・演出・音楽で自主公演を上演、松井勇歩は番組リポーターや芸人ライブへの客演を行うなど個々の活動も精力的に。そんなキャラクター性が際立ち始めた今こそ、劇団Patchを知る絶好のシーズン到来です。

舞台『磯部磯兵衛物語』の通し稽古より
舞台『磯部磯兵衛物語』の通し稽古より

4月に「ABCホール」(大阪市福島区)で少年ジャンプ連載中の時代劇ギャグ漫画『磯部磯兵衛物語』を舞台化。今はまだ劇団名に込められた「一生懸命さ」が最大の武器ですが、エンタメの力で人々を元気づけようとする地域「応援型」劇団の魅力は、一見の価値あり。とりわけ彼らがそうだったように、演劇初心者の若者たちの共感を集めるはずです。

文/石橋法子

Patch stage vol.8 浮世戯言歌劇『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』高尾山地獄修業編

日程:2016年4月20日(水)〜25日(月)
会場:ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
料金:6,500円(全席指定)
電話:06-6941-5250(ワタナベエンターテインメント 関西事業本部)

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