春日大社神獣、800年を経て初公開

2016.3.29 18:00

右から第一殿獅子/第一殿狛犬(写真:桑原英文)

(写真1枚)

現在第60次式年造替が行われている「春日大社」(奈良県奈良市)では、御本殿内の神前に奉安される獅子・狛犬が新調されることに。これを記念して6月1日~30日に、800年も安置されていた古来の神獣が初めて公開されます。

獅子・狛犬といえば、「あ・うん」の形相で、通常は参道の両脇でよく見られますが「春日大社」では、非公開の神域をお護りするため、古くより御神前に獅子・狛犬を奉安。今回、初めて公開される4対8躰は、調査の結果、そのうち6体が鎌倉時代の作。木製寄木造、漆地に金箔を押し彩色されていること、平安風の面影を残す穏やかなフォルム、渦を巻く毛先や顔の向きなどの様式から、800年前の制作とされる。なかには、獅子と狛犬の配置が通常と左右逆で、狛犬の後ろ足も立ち上がった珍しいものもあり、いずれも歴史的・美術的に極めて貴重な宝物であることが明らかに。

また、併せて展示される、鎌倉時代の狛犬の姿も描かれた『春日権現験記(春日本)』や、神前を守る一対の獅子を描いた『牛頭天王曼荼羅板絵』など、希少な文化財も見逃せません。人目に触れず、静かに聖域を護った神獣のパワーを感じにぜひ。

取材・文/浅野はるか

「御出現! 春日大社の神獣展」

期間:2016年6月1日(水)~6月30日(木)
時間:9:00~16:00(最終入場)
会場:春日大社景雲殿(奈良市春日野町160 春日大社御本殿 西隣)
料金:300円 ※小学生未満は無料
電話:0742-22-7788

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